【弁理士試験】生物化学の過去問に挑戦⑧

弁理士に挑戦

おはようございます。

選択科目の試験まであと1日!いよいよ前日となりました(;’∀’)

 

今回は、生物化学の過去問『2014年度』

全くの偶然ですが、難易度が低く試験前日に最適な問題でした♪

 

この問題を気持ちよく解いて、明日の試験に弾みをつけましょう!!!

 

他の過去問にも興味のある方は↓もご参照ください♪

2015年度の過去問
2016年度の過去問
2017年度の過去問
2018年度の過去問
2019年度の過去問
2020年度の過去問
2021年度の過去問

 

2014年度の過去問

弁理士試験の過去問は特許庁のWebサイトで公開されています。冒頭で申し上げたとおり、今回は『2014年(平成26年度)』の過去問を解いてみました。

各問題に対してボクなりの回答を記載しています。しっかり考えたうえでの回答ですが、必ずしも正しい答えとは限りません。あしからず。

選択科目(生化学)の全般的な対策に関する記事はこちら!

 

問1(計20点)

1.以下は DNA に関する一連の研究について述べたものである。空欄( ① )から( ⑩ )に適当な語を入れよ。ただし、同じ番号には同じ語が入り、①、②、⑥は同位元素を表す。

1952 年にハーシーとチェイスは、T2 バクテリオファージの DNA を( ① )、タンパク質を( ② )でそれぞれ標識し、いずれの生体成分が子孫ファージへと伝達されるかを調べた。その結果、( ① )標識が子孫ファージへ伝達されることを示し、DNA が遺伝情報伝達物質であるという証拠を得た。

① P32
② S35

Ataru
Ataru

これは高校の生物で習いますね~♪

生物の設計図である『遺伝子』。当時は「タンパク質」が遺伝子の担い手だと考えられていたのですが、この実験により「タンパク質」ではなく「DNA」が遺伝子の担い手であることが証明されました。

 

1953 年にワトソンとクリックは( ③ )モデルを構築し、アデニンと( ④ )、グアニンと( ⑤ )が水素結合を形成して塩基対を形成していることを提唱した。

③ 二重らせん
④ チミン
⑤ シトシン

Ataru
Ataru

これも高校の生物ですね。生物の設計図が「DNA」であることが証明された後、ワトソンとクリックによってDNAの構造(二重らせん)が解明されました。このあまりにも美しくシンプルな事実は、世界を驚かせたそうです。


この話についてもっと知りたい方はこちら。

 

1958 年にメセルソンとスタールは、同位元素を用いた実験から DNA 複製の際に( ③ )が分離することを示した。すなわち、第一世代として( ⑥ )を含む培地で菌を生育させて DNA を( ⑥ )で標識した。次に、( ⑥ )を含まない培地で菌を生育させて第二世代と第三世代の菌を増殖させた。最後に、菌から抽出した DNA を( ⑦ )法で分離した。その結果、第一世代の DNA は比重が重く、第二世代は中間の比重を示し、第三世代は中間の比重と軽い比重の DNA となっていた。これら一連の実験から、DNA は( ⑧ )的複製をしていることが示された。

⑥ N15
⑦ 遠心
⑧ 半保存

Ataru
Ataru

ワトソンとクリックによって示唆されたDNAの半保存的複製が、メセルソンとスタールによって証明されました。

 

DNA はタンパク質合成の直接の鋳型とはならず、仲介分子として( ⑨ )を合成するための鋳型として働いている。( ⑨ )を合成する反応を( ⑩ )反応と呼ぶ。

⑨ mRNA
⑩ 転写

Ataru
Ataru

ここはいいですね~♪ノーコメントです。


問2(計30点)

2.ES 細胞と iPS 細胞について、以下の問いに6行程度で答えよ。

(1) ES 細胞と iPS 細胞の作製方法を説明せよ。

ES細胞は、受精卵が胚盤胞と呼ばれる段階まで発生したところで内部細胞塊を取り出し、フィーダ細胞という下敷きとなる細胞と一緒に培養することで作成される。一方、iPS細胞は、レトロウイルス・ベクターを使って4つの遺伝子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を体細胞に導入することで作成される。レトロウイルス・ベクターは、腫瘍形成のリスクを伴うため、iPS細胞樹立後に導入遺伝子を除去する方法や、アデノウイルス・ベクター、センダイウイルス、プラスミドDNAを用いた誘導法が利用されることもある。

Ataru
Ataru

ざっくり書くと3行程度で終わってしまうので、レトロウイルス・ベクターを使うと腫瘍形成のリスクを伴うくだりをいれてみました。


(2) ES 細胞に対する iPS 細胞の利点を論ぜよ。

ヒトES細胞を作成するには「生命の萌芽」と位置付けられるヒト受精卵の破壊を伴うことから倫理的な問題があるとされていた。また、細胞移植治療に応用する際、患者とは他人の細胞であることから、免疫拒絶反応が惹起されてしまう可能性が高い。一方、iPS細胞は体細胞から作られるため、倫理的な問題には該当せず、患者さん自身の細胞から作成することができるため、分化した組織や臓器の細胞を移植する際、拒絶反応が起こりにくいと考えられている。

Ataru
Ataru

iPS細胞の利点は「倫理的に該当しない点」と「免疫拒絶反応が起こりにくい点」だと思います。ちょっと文字数が少なくなってしまった…

 

問3(計20点)

3.DNA の超らせん構造の変換を触媒する酵素として DNA トポイソメラーゼが知られている。DNA トポイソメラーゼはⅠ型とⅡ型に大別されるが、両者の違いを5行程度で論ぜよ。

I型トポイソメラーゼはDNAの二本鎖のうち一本だけを切断する。その切れ目の間をもう一方の鎖が通過した後、切れ目を再結合することでリンキング数を一つ変化させる。主にDNAの複製や転写の際に生じるDNA超らせんを緩和する働きをもつ。一方、II型トポイソメラーゼはDNA二本鎖を切断する。その切れ目の間を別の二本鎖が通過した後、切れ目を再結合することでリンキング数を二つ変化させる。DNA超らせんの緩和に加えて、複製後に生じるDNA間の絡まりの解消を担う。

Ataru
Ataru

II型トポイソメラーゼは「DNAジャイレース」と呼ばれることもあり、ニューキノロン系抗菌薬(ちょっとやっかいな風邪に処方される薬)はこのDNAジャイレースの阻害剤です。

 

問4(計30点)

4.生物化学に関する以下の実験技術について、原理と使用目的を5行程度で説明せよ。

(1) ウエスタンブロット法

ウエスタンブロット法は、電気泳動によって分離したタンパク質を膜に転写し、任意のタンパク質に対する抗体でそのタンパク質の存在を検出する手法である。電気泳動の高い分離能と抗原抗体反応の高い特異性を組み合わせた手法であるため、細胞抽出液などの複雑なタンパク質溶液中に微量に含まれるタンパク質でも明瞭に検出することができる。特に不溶性のタンパク質、標識が困難なタンパク質、容易に分解されて免疫沈降法などに適応不可能なタンパク質を取り扱う場合に有効である。

Ataru
Ataru

2016年度に出題された問題と全く同じです!


(2) DNA マイクロアレイ法

DNAマイクロアレイ(DNAチップ)とは、数万から数十万に区切られた基板上に塩基配列の明らかな1本鎖のDNAを高密度に配置して固定したものを指す。検体から抽出した遺伝子と基準となる標準検体を別々の蛍光色素で標識した後、DNAチップとハイブリダイゼーション反応をさせる。反応後、洗浄したDNAチップをスキャナーで読み取り、抽出した遺伝子と基準となる標準検体のシグナルの比を調べることにより、どのような遺伝子がどの程度発現しているかを調べることができる。

Ataru
Ataru

DNAマイクロアレイという言葉をよく耳にするものの、イマイチ理解していないことに気が付きました…

 

問題を解き終えた感想

  • 分子生物学中心の問題
  • 全体的に解きやすい問題が多かった

 

今回は分子生物学の重要な歴史が印象的でした。高校の授業で習うものが多く、解きやすく感じた方が多いはずです。難易度の高い問題も特になかったので、この年の試験を受けた方は大当たり

前回の過去問(2015年度)がめちゃくちゃ難しかったので、「過去に遡るほど難しくなるのかなぁ~」とか考えていましたが、そんなんことはないようですね。

生化学の難易度は運次第ということか…( ;∀;)

 

派生問題

1928年、グリフィスは病原性をもつS型と病原性をもたないR型、2種類の(①)菌を用いて、バクテリアにおける(②)を発見した。これによって、遺伝情報が転移できることが示唆された。

① 肺炎双球菌
② 形質転換

 

グリフィスの実験以後、マウスに注射をしなくても、生きたR型菌を死んだS型菌と混ぜて培養するだけで形質転換がおこることがわかった。そして1944年、アベリーはS型菌の成分を(①)の分解酵素や(②)の分解酵素で処理をしても形質転換がおこるが、(③)の分解酵素で処理をすると形質転換がおこらなくなることを発見した。これによって、(③)が遺伝情報伝達物質であることが示唆された。

① タンパク質
② RNA
③ DNA

Ataru
Ataru

遺伝情報伝達物質はタンパク質だと考えられていたので、常識を覆す、驚きの発見でした。しかし、この実験では、「分解しきれていないタンパク質が形質転換に関与したのでは?」とする主張を完全に覆すことができず、ハーシーとチェイスの実験によって、証明されることとなります。

 

ES細胞を用いたノックアウトマウスの作り方を説明せよ

まずノックアウトしたい遺伝子を確定し、ゲノムライブラリーの情報に基づいてターゲティングベクターを作成する。次いで、ターゲティングベクターをエレクトロポレーション法でES細胞に導入した後、相同組み換えが起きたES細胞を単離する。相同組み換えが起きたES細胞を胚盤胞にインジェクションし、マウスの子宮に入れるとキメラマウスが産まれる。このキメラマウスはノックアウトしたい遺伝子が欠損した細胞と正常な野生型の細胞を併せ持っている。キメラマウスと野生型のマウスを交配することで、完全に遺伝子が欠損したマウスを作成することができる。

Ataru
Ataru

ボクが学生時代はノックアウトマウスの作り方といえばこれでした。今ではCRISPR-Cas9を応用したノックアウトマウスの作成法が主流になりつつあるようです。


CRISPR-Cas9を応用したノックアウトマウスの作成法はこちらの派生問題をご参照ください。

 

ということで、今回の記事をもって生化学の過去問を一旦終了とさせていただきます。

来週は2022年度「短答試験」の体験記!!

 

Comment

  1. こんにちは、弁理士試験を受験しているものです。
    2次試験で選択科目を受験しなければならないにもかかわらず、必須試験の論文対策で全く手をつけられていなかったので、ここ3週間ほどこちらのサイトを活用させてもらっておりました。
    生物系の大学を出ているのですが、大学院まで行っておらず、卒業からかなり経ち、ほぼ忘れていることが多かったのでとても参考になりました。ありがとうございました。
    今日、過去問で出た実験手法出題されろ…!と念じながら受けてきましたが、なんだか不合格なような気がしています…。
    ataruさんも勉強を続けられるのでしょうか。陰ながら応援しております。

    • とろろさん、コメントを頂きありがとうございます♪♪少しでもお役に立てたようで嬉しいです(ToT)
      今年は意外な問題が出たそうですね…
      出題範囲が広さといい、問題の難易度といい、本当に難しい試験です(;_;) 吉報をお祈りします(*>人<) ノロノロペースではありますが、ボクも弁理士の勉強を続けています。一緒に頑張りましょう♪

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