【弁理士試験】2022年度の弁理士試験で注意すべき法改正(後編)

弁理士に挑戦

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おはようございます。

弁理士試験まで「残り8日」。いよいよ一週間前になりましたね。

思い返せば、去年の一次試験は新型コロナが猛威を振るっていました。例年通り5月に予定されていた一次試験が7月に延期!!

「た、、、助かった( ;∀;)」なんて思ってしまったボクです(不謹慎ですみません)。

試験会場にしても、密を避けるために間隔を広く開けてくれていたので、静か&空調の行き届いた快適な空間でした。

ただし!想定外の難点はマスク

「いやいや、スポーツやるわけじゃないでしょ!」…なんて思ってしまう方もいるかもしれませんが、弁理士試験は凄まじく集中力を消費します。侮ってはいけません(。-∀-)

これから過去問に取り組まれる方はマスクを着けた状態で問題を解いてみてもいいかもしれませんね。

あと、耳栓の持ち込みが許容されているので、絶対に持って行った方がいいです。周りの人のページをめくる音でペース配分を崩されてしまいますので…

 

…はい。それでは、前回に引き続き、2022年度弁理士試験の対策としてチェックすべき法改正を整理していきます。

● 特許法等の一部を改正する法律 (2021年5月21日公布)

● 著作権法の一部を改正する法律 (2021年6月2日公布)

 

本日は後編ということで、「著作権法の一部を改正する法律 (2021年5月21日公布)」についての記事です。

「特許法等の一部を改正する法律」が気になる方は先週の記事をご参照ください。

 

それでは行ってみましょう♪

 

著作権の一部を改正する法律

2021年6月2日に公布された「著作権の一部を改正する法律」によって、著作権法が改正されました。

変更点は大きく2点。

  1. 図書館等の権利制限規定の見直し
  2. 放送番組のインターネット上での同時配信等に係る権利処理の円滑化 

 

「1. 図書館等の権利制限規定の見直し」については施行されるタイミングが公布日から1年以内(規定によっては2年以内)。

Ataru
Ataru

公布日から1年以内の規定でも、一次試験までに施行されない可能性があるということか…

 

そうです。施行されるかどうかわからない規定を試験問題にできませんよね!(←ブログの読者からご指摘を頂きました。)

ということで、この記事では「2. 放送番組のインターネット上での同時配信等に係る権利処理の円滑化」に絞って紹介します。

 

なお、改正の詳細については文部科学省のWebサイトをご参照ください。

 

一見複雑に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえてしまえばいたってシンプルです。

気楽に記事を眺めてくださいね^^

 

同時配信等に係る権利の円滑化

「放送番組のインターネット上での同時配信等に係る権利処理の円滑化」に関する改正は、放送番組の「同時配信」、「追っかけ配信」、「見逃し配信」などなど…を推進するために整備されました。

イメージはこんな感じです。 

出典:著作権法の一部を改正する法律(説明資料)より抜粋 | 文部科学省のWebサイト
Ataru
Ataru

そういえば、「4/11」からTVerでのリアルタイム同時配信も始まりましたね!この改正と関係が…?

いや…地上波となると何か月も前に撮影しているはずなので、あまり関係なさそう(^-^;

 

 

今回の改正により、新しい定義が「3つ」追加されました。

簡単にチェックしましょう♪

 

特定入力型自動公衆送信

放送と同時に、Web接続されたサーバーに情報を入力することによる自動公衆送信

Ataru
Ataru

考えすぎないようにしましょう。

難視聴地域への放送を考慮した従来の規定を明確にしただけです。

 

放送同時配信等

① 放送から1週間以内に、②内容を変更せず、③ DW防止措置を講じた、自動公衆送信

Ataru
Ataru

「同時配信」、「追っかけ配信」、「見逃し配信」を想定した新しい定義

 

放送自動配信等事業者

放送同時配信等を業として行う事業者

 

(定義)
第二条
九の六 特定入力型自動公衆送信  放送を受信して同時に、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することにより行う自動公衆送信(当該自動公衆送信のために行う送信可能化を含む。)をいう。 

九の七 放送同時配信等  放送番組又は有線放送番組の自動公衆送信(当該自動公衆送信のために行う送信可能化を含む。以下この号において同じ。)のうち、次のイからハまでに掲げる要件を備えるもの(著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者(以下「著作権者等」という。)の利益を不当に害するおそれがあるもの又は広く国民が容易に視聴することが困難なものとして文化庁長官が総務大臣と協議して定めるもの及び特定入力型自動公衆送信を除く。)をいう。
放送番組の放送又は有線放送番組の有線放送が行われた日から一週間以内(当該放送番組又は有線放送番組が同一の名称の下に一定の間隔で連続して放送され、又は有線放送されるものであつてその間隔が一週間を超えるものである場合には、一月以内でその間隔に応じて文化庁長官が定める期間内)に行われるもの(当該放送又は有線放送が行われるより前に行われるものを除く。)であること。
放送番組又は有線放送番組の内容を変更しないで行われるもの(著作権者等から当該自動公衆送信に係る許諾が得られていない部分を表示しないことその他のやむを得ない事情により変更されたものを除く。)であること。
当該自動公衆送信を受信して行う放送番組又は有線放送番組のデジタル方式の複製を防止し、又は抑止するための措置として文部科学省令で定めるものが講じられているものであること。

九の八 放送同時配信等事業者  人的関係又は資本関係において文化庁長官が定める密接な関係(以下単に「密接な関係」という。)を有する放送事業者又は有線放送事業者から放送番組又は有線放送番組の供給を受けて放送同時配信等を業として行う事業者をいう。 

出典:著作権法の一部を改正する法律(令和3年改正)について(解説) | 文部科学省のWebサイト

 

① 権利制限規定の拡充

● 施 行 日 :2022年4月1日

● 改正概要:学校教育番組などの権利制限規定を同時配信等に拡充

<権利制限規定>

  • 学校教育番組の放送(34条1項)
  • 家庭用受信機による伝達(38条3項)
  • 時事問題に関する演説(39条1項)
  • 政治上の演説の利用(40条2項)
  • 放送事業者による一時的固定(44条)
  • 放送のための実演の固定(93条)
Ataru
Ataru

「家庭用受信意を用いた伝達」については、見逃し配信のみ対象外とされている点に注意!!

 

まあ…実例をイメージしてみれば簡単です。

定食屋では家庭用TVで放送番組をお客さんに見せても問題ないことになっていますが、「昨日の金曜ロードショー見るか…なんて、やりすぎでしょ…(-_-)

 

② 許諾推定規定の創設

● 施 行 日 :2022年4月1日

● 改正概要:放送番組での著作物の利用許諾を得た場合、同時配信等でも許諾したものと推定される

Ataru
Ataru

放送番組、同時配信、見逃し配信…

権利をあれこれ考える必要がなくなりました。

 

(著作物の利用の許諾)
第六十三条

著作物の放送又は有線放送及び放送同時配信等について許諾(第一項の許諾をいう。以下この項において同じ。)を行うことができる者が、特定放送事業者等(放送事業者又は有線放送事業者のうち、放送同時配信等を業として行い、又はその者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が業として行う放送同時配信等のために放送番組若しくは有線放送番組を供給しており、かつ、その事実を周知するための措置として、文化庁長官が定める方法により、放送同時配信等が行われている放送番組又は有線放送番組の名称、その放送又は有線放送の時間帯その他の放送同時配信等の実施状況に関する情報として文化庁長官が定める情報を公表しているものをいう。以下この項において同じ。)に対し、当該特定放送事業者等の放送番組又は有線放送番組における著作物の利用の許諾を行つた場合には、当該許諾に際して別段の意思表示をした場合を除き、当該許諾には当該著作物の放送同時配信等(当該特定放送事業者等と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送番組又は有線放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を含むものと推定する。

出典:著作権法の一部を改正する法律(令和3年改正)について(解説) | 文部科学省のWebサイト

 

③ レコード & レコード実演の利用

● 施 行 日 :2022年4月1日

● 改正概要:同時配信等での利用も(放送と同様)事前許諾を不要とし、相当する補償金を支払う

Ataru
Ataru

著作者隣接権の整備ですね~

レコード(音源)、レコード実演(音源に収録された歌唱・演奏)についても、放送番組と同時配信等の権利がシンプルになりました。

 

条文はごちゃごちゃですが…(^-^;

(商業用レコードの放送同時配信等)
第九十六条の三 放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、商業用レコード(当該商業用レコードに係る前条に規定する権利(放送同時配信等に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)について著作権等管理事業者による管理が行われているもの又は文化庁長官が定める方法により当該商業用レコードに係る同条に規定する権利を有する者の氏名若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く。次項において同じ。)を用いて放送同時配信等を行うことができる。
前項の場合において、商業用レコードを用いて放送同時配信等を行つたときは、放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を当該商業用レコードに係る前条に規定する権利を有する者に支払わなければならない。
前項の補償金を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該著作権等管理事業者によつてのみ行使することができる。
第九十三条の三第四項の規定は前項の規定による指定について、同条第五項から第十三項までの規定は第二項の補償金及び前項の規定による指定を受けた著作権等管理事業者について、それぞれ準用する。この場合において、同条第四項第四号中「第二項の報酬」とあるのは「第九十六条の三第二項の補償金」と、同条第七項及び第十項中「放送事業者」とあるのは「放送事業者、有線放送事業者」と読み替えるものとする。

出典:著作権法の一部を改正する法律(令和3年改正)について(解説) | 文部科学省のWebサイト

 

④ 映像実演の利用

● 施 行 日 :2022年4月1日

● 改正概要:同時配信等での利用も(放送と同様)初回の許諾を得た場合、2回目以降は事前許諾不要

Ataru
Ataru

こちらも著作隣接権に関する整備。

ワンチャンス主義が同時配信等にも適用されることになったってことですね!

 

(放送等のための固定物等による放送同時配信等)
第九十三条の三
第九十二条の二第一項に規定する権利(放送同時配信等に係るものに限る。以下この項及び第九十四条の三第一項において同じ。)を有する者(以下「特定実演家」という。)が放送事業者に対し、その実演の放送同時配信等(当該放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を行つたときは、契約に別段の定めがない限り、当該許諾を得た実演(当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利について著作権等管理事業者による管理が行われているもの又は文化庁長官が定める方法により当該実演に係る特定実演家の氏名若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く。)について、当該許諾に係る放送同時配信等のほか、次に掲げる放送同時配信等を行うことができる。
当該許諾を得た放送事業者が当該実演について第九十三条第一項の規定により作成した録音物又は録画物を用いてする放送同時配信等
当該許諾を得た放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送同時配信等

律(令和3年改正)について(解説) | 文部科学省のWebサイト

 

⑤ 協議不調の裁定

● 施 行 日 :2022年4月1日

● 改正概要:協議不調における著作権等の裁定制度を同時配信等にも拡充

Ataru
Ataru

これは解説不要ですね。

文化省のWebサイトにわかりやすい図があったので引用させていただきました。

出典:著作権法の一部を改正する法律(説明資料)より抜粋 | 文部科学省のWebサイト

 

(著作物の放送等)
第六十八条
公表された著作物を放送し、又は放送同時配信等しようとする放送事業者又は放送同時配信等事業者は、その著作権者に対し放送若しくは放送同時配信等の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送し、又は放送同時配信等することができる。
前項の規定により放送され、又は放送同時配信等される著作物は、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。この場合において、当該有線放送、地域限定特定入力型自動公衆送信又は伝達を行う者は、第三十八条第二項及び第三項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

まとめ

本日は「2022年度弁理士試験」の対策として、2021年6月21日に公布された「著作権法の一部を改正する法律」を整理しました。

著作権法の改正は大きく2点

  1. 図書館等の権利制限規定の見直し
  2. 放送番組のインターネット上での同時配信等に係る権利処理の円滑化

「1. 図書館等の権利制限規定の見直し」については、2022年度の弁理士試験で出題される可能性が低いです。気になる方は、文化省のWebサイトで公開されている「著作権法の一部を改正する法律(概要)」をサラッと見て頂ければと思います。

「2. 放送番組のインターネット上での同時配信等に係る権利処理の円滑化」については、条文で理解しようとするとかなり厄介です…この記事でを読んで「理解の足りなさそうなところがあるゾ」と思った方は、文化省のWebサイトに公開されている「著作権法の一部を改正する法律(説明資料)」をご参照ください^^

 

ということで、本日はここまで。。

来週日曜日の試験に向けて最後の最後のラストスパート、一緒に頑張りましょう^^

来週もブログを更新しますので、余裕のある方はお立ち寄り頂けると嬉しいです!

またよろしくお願いします(๑>◡<๑)

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