ゆとり世代が社会人になって気付いたこと

ブラック企業の脱却

 

ずっと

大人になんてなりたくなかった。

 

あくびの出てしまいそうな、つまらない日常が目に浮かびます。

 

普通に結婚してオヤジになって、

スーツを着て電車で会社へ向かう日々

そしてハゲた部長になる。

 

 

でも、ボクは知りませんでした。

このあたり前だと思っていた大人のイメージがあたり前に手に入るものではないことを。

 

そもそもオヤジになれる時点で裕福な証拠

スーツで会社に向かう人は一部の高学歴

その中で部長になれる人なんて…

一握りの選ばれし者

 

ハゲた部長が雲の上の存在

ボクは夢にも思っていませんでした。

 

転落のきっかけ

ボクはごく普通のゆとり世代。

 

周りの家庭とちょっとだけ違ったことは、両親が学歴コンプレックスを抱えていたこと。

「いい大学に入れば楽しい人生が待っている」

何度も何度も、そう教えられました。

 

もしかしたら…

心のどこかで、両親の言葉が響いていたのかもしれません。

勉強嫌いでちゃらんぽらんなボクでしたが、大学受験だけは死ぬ気で猛勉強。

 

そして、

運にも恵まれ、そこそこ有名な私立大学に合格することができました。

MARCHと呼ばれるレベルに位置する大学です。

 

かつて大学受験に失敗した母と、そもそも大学へ行こうとすらしなかった父は大喜び。

 

18歳の春、ボクは田舎の実家を出て大都会へ旅立ちます。

 

致命的な勘違い

北は北海道。南は沖縄。

日本各地から集まる学生達の多くは私立高校出身で、人一倍賢く、人一倍お金持ちでした。

 

平凡なボクは食らいつくだけでいっぱいいっぱい。留年だけはしないように細心の注意を払いました。

 

卒業さえできれば楽しい人生が待って…

いる…?

 

いや。ボクは大きな勘違いに気がついていませんでした。

 

スーツで働いている人は一部の高学歴。

一般的に優秀とされているMARCHの大学は、その最低ラインだったのです。

 

「どこかしら内定もらえればいいや〜」

なんて悠長なことを考えていたボクは、、、

レールを踏み外しました

 

ボクがイメージしていた「普通の大人」になりたかったら、死ぬ気で就活しなければいけなかったのです。

 

転落の先にあるもの

職業の分類として「ホワイトカラー」と呼ばれる言葉があります。

これはワイシャツ(スーツ)を着て働く職種のことで、「頭脳労働」のことを示しています。

 

「ホワイトカラー」の対義語は「ブルーカラー」。作業着を着て働く職種のことで、「肉体労働」を示しています。

 

社会はみんなが自分の特技を活かして働くことで成り立っています。「ホワイトカラー」が良くて「ブルーカラー」が悪いとは思っていません。

 

ただ傾向として、「ホワイトカラー」の方が高収入で競争率が高いことは間違いないでしょう。

 

ブルーカラーの道

MARCHはホワイトカラーの最低ライン。

順当に進めばそのままホワイトカラーの一員となるものの、就活に失敗するとこの枠組みからあぶれることとなります。

 

であれば、ブルーカラーの一員として働けばいいかもしれません。

 

しかし、ブルーカラーの道を選ぶということは

数百万円~数千万のお金を投入して(そこそこ)有名大学へ進んだものの、「頭脳労働者として戦力外」であることを認めることになります。

  

この現実を受け入れることができない学生が沢山いるに違いありません。

 

「高学歴プア」

この言葉がその証拠です。

 

もう一つの道

ホワイトカラーの道を踏み外した者に残された道は「ブルーカラー」か。

はたまた「自宅警備」か…

 

いや。

もう一つの選択肢が存在します。

 

「ブラック企業」

彼らは一見、ホワイトカラー。就活であぶれた大学生の救世主。

その実態は、行き場の失った者の墓場

行き場がないことをいいことに違法残業パワハラが横行しています。

 

それでも、ボクはブラック企業を選びました。

 

ブルーカラーの道を選んでしまえば、ホワイトカラーのルートからどんどん遠ざかってしまいます。

ブラック企業であれば、どんなに辛くてもそこでキャリアを積んで転職すればいい。

 

そんな淡い期待を抱いて

 

ブラック企業での生活

 

2014年4月。

ボクは東京都内の卸会社に入社しました。

 

卸会社はメーカーから商品を仕入れて販売店に提供する会社。

利益率が低いため、ブラックになりやすい業界に分類されます。

 

ボクの仕事は営業担当として注文を獲得し、自ら商品を運ぶことでした。

 

何が辛いか?

長い拘束時間

毎日のスケジュールはこんな感じです。

  • 6:30 起床
  • 7:00 出宅
  • 8:00 出社。事務作業タイム
  • 10:00 営業先へ出発!
  • 19:00 帰社。事務作業タイム
  • 21:30 退社
  • 22:30 帰宅
  • 23:30 就寝

 

ほぼ一日中外を歩き回る仕事のため、睡眠時間として「7時間」確保。

そうすると、仕事以外のことに使える時間は「1時間30分」

食事(朝&夜)、お風呂、身支度の時間でちょうどなくなります。

 

日曜日は必ずお休みだったので、自分の時間が全くなかったわけではありません。

しかし、疲れ果てて一日中寝ていることがほとんど。

 

何も考える余裕なく、ただ時間が流れ去っていくことに虚無感を覚えます。

  

有給がめちゃくちゃ取りづらい

体調不良だろうと何だろうと仕事を休むことが絶対に許されません

 

先ほどのスケジュールはあくまでも通常時のもので、トラブルが発生したり繁忙期だったりすると終電まで帰れないのです。

寝不足でフラフラになりながら働くことがまさに地獄

 

疲れ果てた状態で仕事をすることがいかに辛いことか刷り込まれ、仕事以外の時間をできる限り睡眠にあてようとしてしまいます

 

こうして思考停止状態に陥っていきます。

 

将来に希望を持てない

身を削りながら働いていても残業代がつかないので低賃金です。

  • 手取りで約15万/月
  • ボーナス約30万が年2回

 

いくらはたらいても、

なかなか金銭的な余裕が生まれません。

 

卸といえば、メーカー営業担当への転職が期待できるように思えるかも知れません。

しかし、メーカーに転職したという話はほとんど聞きませんでした。

 

それもそのはず。卸からの引き抜きがタブーとされていたのです。

引き抜きがバレると商品を卸してもらえなくなるらしい…

 

そんなわけで、キャリアアップすることも期待できませんでした。

 

ひたすらパワハラ

ブラック企業特有のパワハラのイメージがあるかもしれません。

ボクの会社でも事あるごとに罵声を浴びせられました。

 

本当かウソかわかりませんが、この罵声にはブラック企業なりの戦略があるそうです。

 

ブラック企業で働く者たちは就活で辛い思いをしてきた人ばかり。罵声を浴び続けることで、

「自分のようなカスを会社が拾ってくれた」

「ここを辞めたらどこにも雇ってもらえない」

 

と洗脳されていきます。

 

最後に

ボクの経験談を読んで、

(全然ブラックじゃない)

と感じてしまった方に知ってほしいことがあります。

 

世の中は不公平なもの。

「仕事の辛さ」と「その対価」は必ずしも一致しません

いや、むしろ、、、辛い仕事ほど給与が低く、楽な仕事ほど給与が高いとすらいえるかもしれません。

 

ブラック企業は辛くて低賃金な仕事。

なので、従業員を留めるためにありとあらゆる仕掛けを施しています。

 

「自分の会社はブラックじゃない」

なんて言い聞かせてしまったら、ブラック企業の思うつぼです。

 

まずは自分が搾取されていることを自覚して、自分の幸せのために行動してください(T_T)

 

もっと楽して、もっと高い給与を貰える会社が沢山あります。

  

今のボク

2018年4月、紆余曲折を経て、ボクは都内大手ホワイト企業への転職に成功しました。

  • 通常の業務時間は9:00~17:30
  • 繁忙期でなければ残業はほとんどなし
  • 手取りで25万/月+残業代、ボーナス70万(年2回)
  • 有給(10日/年)自由に取れます

加えて、入社から4年経過しましたが、上司の怒鳴り声どころか叱っている場面を見たことがありません。

(そもそも人前で叱ったらパワハラ)

 

年収だと500万程度。

この待遇を聞いて「全然普通」と感じる人も沢山います。

 

ブラック企業が底なし沼であると同時に、ホワイト企業が青天井であることを忘れてはいけません。

 

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