本日のテーマは「TRIPs協定」!
パリ・プラス・アプローチと呼ばれるTRIPs協定ですが、パリ条約と比べてどうのような点で保護を厚くしているのか?
パリ条約とTRIPs協定を比較して、効力の意義をざっくり整理してみることにしました!
基本原則
◆ パリ条約の遵守
TRIPs協定 第2条
1 加盟国は、第2部、第3部及び第4部の規定について、1967年のパリ条約の第1条から第12条まで及び第19条の規定を遵守する。
- TRIPS協定では、パリ条約に加盟していないWTO加盟国(台湾など)にも、パリ条約の順守義務を拡大!
…とはいっても、大部分の国がパリ条約に加盟国しているため効果は限定的

パリ条約の加盟国は179ヶ国
日本が承認している国数は196ヶ国
1. 内国民待遇
◆ 保護対象の拡充
パリ条約 第2条
(1)各同盟国の国民は、工業所有権の保護に関し、この条約で特に定める権利を害されることなく、他のすべての同盟国において、当該他の同盟国の法令が内国民に対し現在与えており又は将来与えることがある利益を享受する。すなわち、同盟国の国民は、内国民に課される条件及び手続に従う限り、内国民と同一の保護を受け、かつ、自己の権利の侵害に対し内国民と同一の法律上の救済を与えられる。
(3)司法上及び行政上の手続並びに裁判管轄権については、並びに工業所有権に関する法令上必要とされる住所の選定又は代理人の選任については、各同盟国の法令の定めるところによる。
TRIPs協定 第3条
各加盟国は、知的所有権の保護に関し、自国民に与える待遇よりも不利でない待遇を他の加盟国の国民に与える。ただし、パリ条約、ベルヌ条約、ローマ条約、IPIC条約に既に規定する例外については、この限りでない。実演家、レコード製作者及び放送機関については、この協定に規定する権利についてのみ適用する。
2 加盟国は、司法上及び行政上の手続等に関し、例外を援用することができる。ただし、その例外がこの協定に反さない法令の遵守を確保するために必要であり、かつ、その例外の実行が貿易に対する偽装された制限とならない態様で適用される場合に限る。
- TRIPS協定は、パリ条約に規定されていない保護対象(著作権など)についても内国民待遇を義務付ける点で意義がある
パリ条約の保護対象 | TRIPs協定の保護対象 |
・特許 ・実用新案 ・意匠 ・商標 ・サービス・マーク ・商号 ・原産地表示/原産地名称 ・不正競争の防止 | ・著作権及び関連する権利 ・商標 ・地理的表示 ・意匠 ・特許 ・集積回路の回路配置 ・開示されていない情報 |
- 以下の例外については、TRIPs協定も認めている
- 司法上及び行政上の手続き
- 裁判管轄権
- 必要とされる住所の選定/代理人の選任
◆ 最恵国待遇
TRIPs協定 第4条
知的所有権の保護に関し、加盟国が他の国の国民に与える利益、特典、特権又は免除は、他のすべての加盟国の国民に対し即時かつ無条件に与えられる。加盟国が与える次の利益、特典、特権又は免除は、そのような義務から除外される。
(a) 一般的な性格を有し、かつ、知的所有権の保護に特に限定されない司法共助又は法の執行に関する国際協定に基づくもの
(b) 内国民待遇ではなく他の国において与えられる待遇に基づいて待遇を与えることを認める1971年のベルヌ条約又はローマ条約の規定に従って与えられるもの
(c) この協定に規定していない実演家、レコード製作者及び放送機関の権利に関するもの
(d) 世界貿易機関協定の効力発生前に効力を生じた知的所有権の保護に関する国際協定に基づくもの。ただし、当該国際協定が、貿易関連知的所有権理事会に通報されること及び他の加盟国の国民に対し恣意的又は不当な差別とならないことを条件とする。
- 加盟国が他の国(加盟国に限らない)との間でTRIPS協定を上回る利益・特典・特権・免除を与える場合は、他の加盟国にも与える必要がある
「最恵国待遇」は、「内国民待遇」と並ぶTRIPs協定の基本原則!
2. 優先権
◆ サービースマークに準用
TRIPs協定 第62条
3 1967年のパリ条約第4条の規定は、サービス・マークについて準用する。
- TRIPs協定は、パリ条約4条(優先権)の規定をサービスマークに拡大
…以上。
優先権に関するTRIPs協定の規定はこれだけ。

意外と少ない??
3. 特許独立の原則
TRIPs協定には規定なし
保護対象ごとの規定
特許
◆ 保護の要件
TRIPs協定 第27条
1 2及び3の規定に従うことを条件として、特許は、新規性、進歩性及び産業上の利用可能性のあるすべての技術分野の発明(物であるか方法であるかを問わない。)について与えられる。第65条4、第70条8及びこの条の3の規定に従うことを条件として、発明地及び技術分野並びに物が輸入されたものであるか国内で生産されたものであるかについて差別することなく、特許が与えられ、及び特許権が享受される。
- パリ条約には特許の要件に関する規定なし
- TRIPs協定は、特許要件(新規性/進歩性/産業上の利用可能性)と差別禁止(発明地/技術分野/輸入or国内生産)を規定
◆ 明細書の記載要件
TRIPs協定 第29条
(1) 加盟国は、特許出願人に対し、その発明をその技術分野の専門家が実施することができる程度に明確かつ十分に開示することを要求する。加盟国は、特許出願人に対し、出願日又は、優先権が主張される場合には、当該優先権に係る出願の日において、発明者が知っている当該発明を実施するための最良の形態を示すことを要求することができる。
- TRIPs協定は、実施可能性要件を規定
- また、優先日に発明者が知っている発明を実施するための最良の形態を示すことを要求できる
日本では最良形態を要求していない
◆ 公序良俗に反する発明
パリ条約 第4条の4
特許の対象である物の販売又は特許の対象である方法によつて生産される物の販売が国内法令上の制限を受けることを理由としては、特許を拒絶し又は無効とすることができない。
TRIPs協定 第27条
2 加盟国は、公の秩序又は善良の風俗を守ること(人、動物若しくは植物の生命若しくは健康を保護し又は環境に対する重大な損害を回避することを含む。)を目的として、商業的な実施を自国の領域内において防止する必要がある発明を特許の対象から除外することができる。ただし、その除外が、単に当該加盟国の国内法令によって当該実施が禁止されていることを理由として行われたものでないことを条件とする。
- パリ条約は、専売品や禁制品を理由に拒絶/無効にできないことを規定
- TRIPs協定では、(単に専売品・禁制品であることを対象外としつつ)、公序良俗違反は特許の対象から除外できることを規定
国内法でも、公序良俗違反(特32条)中には統制法規違反(麻薬取締法違反など)が含まれないとの解釈…らしい。

何でもかんでも公序良俗違反で拒絶するなってこと?
さじ加減がよくわからない
◆ 産業上利用できない発明
TRIPs協定 第27条
3 加盟国は、また、次のものを特許の対象から除外することができる。
(a) 人又は動物の治療のための診断方法、治療方法及び外科的方法
(b) 微生物以外の動植物並びに非生物学的方法及び微生物学的方法以外の動植物の生産のための本質的に生物学的な方法。ただし、加盟国は、特許若しくは効果的な特別の制度又はこれらの組合せによって植物の品種の保護を定める。この(b)の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日から4年後に検討されるものとする。
- TRIPs協定は、産業上利用できない発明を規定
(b)ただし書の規定について、日本では種苗法でカバー
◆ 特許権の効力
パリ条約 第5条の4
ある物の製造方法について特許が取得されている同盟国にその物が輸入された場合には、特許権者は、輸入国で製造された物に関して当該特許に基づきその国の法令によつて与えられるすべての権利を、その輸入物に関して享有する。
TRIPs協定 第28条
1 特許は、特許権者に次の排他的権利を与える。
(a) 特許の対象が物である場合には、特許権者の承諾を得ていない第三者による当該物の生産、使用、販売の申出若しくは販売又はこれらを目的とする輸入を防止する権利(注)
(注) 輸入を防止する権利は、物品の使用、販売、輸入その他の頒布に関してこの協定に基づいて与えられる他のすべての権利と同様に第6条の規定に従う。
(b) 特許の対象が方法である場合には、特許権者の承諾を得ていない第三者による当該方法の使用を防止し及び当該方法により少なくとも直接的に得られた物の使用、販売の申出若しくは販売又はこれらを目的とする輸入を防止する権利
2 特許権者は、また、特許を譲渡し又は承継により移転する権利及び実施許諾契約を締結する権利を有する。
- パリ条約では、国内生産物と外国生産物の区別をしないで保護することのみ規定
- TRIPs協定では、「効力の及ぶ範囲」と「譲渡/ライセンス許諾の権利」を規定
効力の及ぶ範囲として、
国内法では、物の発明・方法の発明いずれも「輸出」に効力が及ぶ点に注意!
◆ 効力が及ばない範囲
パリ条約 第5条の3
次のことは、各同盟国において、特許権者の権利を侵害するものとは認められない。
1 当該同盟国の領水に他の同盟国の船舶が一時的に又は偶発的に入つた場合に、その船舶の船体及び機械、船具、装備その他の附属物に関する当該特許権者の特許の対象である発明をその船舶内で専らその船舶の必要のために使用すること。
2 当該同盟国に他の同盟国の航空機又は車両が一時的に又は偶発的に入つた場合に、その航空機若しくは車両又はその附属物の構造又は機能に関する当該特許権者の特許の対象である発明を使用すること。
TRIPs協定 第30条
加盟国は、第三者の正当な利益を考慮し、特許により与えられる排他的権利について限定的な例外を定めることができる。ただし、特許の通常の実施を不当に妨げず、かつ、特許権者の正当な利益を不当に害さないことを条件とする。
- パリ条約では、一時的/偶発的に入った車両・船舶・航空機に効力が及ばないことを規定
- TRIPs協定では、「通常の実施を不当に妨げず、正当な権利を不当に害さないこと」を条件に効力の及ばない範囲の規定を許容
◆ 裁定 (全般&公共の利益)
TRIPs協定 第31条
加盟国の国内法令により、特許権者の許諾を得ていない特許の対象の他の使用(政府による使用又は政府により許諾された第三者による使用を含む。)を認める場合には、次の規定を尊重する。
(a) 他の使用は、その個々の当否に基づいて許諾を検討する。
(b) 他の使用は、他の使用に先立ち、使用者となろうとする者が合理的な商業上の条件の下で特許権者から許諾を得る努力を行って、合理的な期間内にその努力が成功しなかった場合に限り、認めることができる。加盟国は、国家緊急事態その他の極度の緊急事態の場合又は公的な非商業的使用の場合には、そのような要件を免除することができる。ただし、国家緊急事態その他の極度の緊急事態を理由として免除する場合には、特許権者は、合理的に実行可能な限り速やかに通知を受ける。公的な非商業的使用を理由として免除する場合において、政府又は契約者が、特許の調査を行うことなく、政府により又は政府のために有効な特許が使用されていること又は使用されるであろうことを知っており又は知ることができる明らかな理由を有するときは、特許権者は、速やかに通知を受ける。
(c) 他の使用の範囲及び期間は、許諾された目的に対応して限定される。半導体技術に係る特許については、他の使用は、公的な非商業的目的のため又は司法上若しくは行政上の手続の結果反競争的と決定された行為を是正する目的のために限られる。
(d) 他の使用は、非排他的なものとする。
(e) 他の使用は、当該他の使用を享受する企業又は営業の一部と共に譲渡する場合を除くほか、譲渡することができない。
(f) 他の使用は、主として当該他の使用を許諾する加盟国の国内市場への供給のために許諾される。
(g) 他の使用の許諾は、その許諾をもたらした状況が存在しなくなり、かつ、その状況が再発しそうにない場合には、当該他の使用の許諾を得た者の正当な利益を適切に保護することを条件として、取り消すことができるものとする。権限のある当局は、理由のある申立てに基づき、その状況が継続して存在するかしないかについて検討する権限を有する。
(h) 許諾の経済的価値を考慮し、特許権者は、個々の場合における状況に応じ適当な報酬を受ける。
(i) 他の使用の許諾に関する決定の法的な有効性は、加盟国において司法上の審査又は他の独立の審査(別個の上級機関によるものに限る。)に服する。
(j) 他の使用について提供される報酬に関する決定は、加盟国において司法上の審査又は他の独立の審査(別個の上級機関によるものに限る。)に服する。
(k) 加盟国は、司法上又は行政上の手続の結果反競争的と決定された行為を是正する目的のために他の使用が許諾される場合には、(b)及び(f)に定める条件を適用する義務を負わない。この場合には、報酬額の決定に当たり、反競争的な行為を是正する必要性を考慮することができる。権限のある当局は、その許諾をもたらした状況が再発するおそれがある場合には、許諾の取消しを拒絶する権限を有する。
- TRIPs協定では、裁定通常実施権の全般を規定
◆ 裁定 (不実施)
パリ条約 第5条
A.(1) 特許は、特許権者がその特許を取得した国にいずれかの同盟国で製造されたその特許に係る物を輸入する場合にも、効力を失わない。
(2) 各同盟国は、特許に基づく排他的権利の行使から生ずることがある弊害、例えば、実施がされないことを防止するため、実施権の強制的設定について規定する立法措置をとることができる。
(3) (2)に規定する弊害を防止するために実施権の強制的設定では十分でない場合に限り、特許の効力を失わせることについて規定することができる。特許権の消滅又は特許の取消しのための手続は、実施権の最初の強制的設定の日から2年の期間が満了する前には、することができない。
(4) 実施権の強制的設定は、実施されず又は実施が十分でないことを理由としては、特許出願の日から4年の期間又は特許が与えられた日から3年の期間のうちいずれか遅く満了するものが満了する前には、請求することができないものとし、また、特許権者がその不作為につきそれが正当であることを明らかにした場合には、拒絶される。強制的に設定された実施権は、排他的なものであつてはならないものとし、また、企業又は営業の構成部分のうち当該実施権の行使に係るものとともに移転する場合を除くほか、当該実施権に基づく実施権の許諾の形式によつても、移転することができない。
- パリ条約では、裁定通常実施権のうち、不実施に関するものを規定
◆ 裁定 (利用抵触)
TRIPs協定 第31条
(l) 他の特許(次の(i)から(iii)までの規定において「第1特許」という。)を侵害することなしには実施することができない特許(これらの規定において「第2特許」という。)の実施を可能にするために他の使用が許諾される場合には、次の追加的条件を適用する。
(i) 第2特許に係る発明には、第1特許に係る発明との関係において相当の経済的重要性を有する重要な技術の進歩を含む。
(ii) 第1特許権者は、合理的な条件で第2特許に係る発明を使用する相互実施許諾を得る権利を有する。
(iii) 第1特許について許諾された使用は、第2特許と共に譲渡する場合を除くほか、譲渡することができない。
- TRIPs協定では、利用抵触の裁定を規定
◆ 発明者掲載権
パリ条約 第4条の3
発明者は、特許証に発明者として記載される権利を有する。
◆ 特許権の取消し
TRIPs協定 第32条
特許を取り消し又は特許権を消滅させる決定については、司法上の審査の機会が与えられる。
国内法では、無高審決に対する「審決取消訴訟」がこれに該当
◆ 特許権の保護期間
TRIPs協定 第33条
保護期間は、出願日から計算して20年の期間が経過する前に終了してはならない。(注)
(注) 特許を独自に付与する制度を有していない加盟国については、保護期間を当該制度における出願日から起算することを定めることができるものと了解する。
実用新案
TRIPs協定には規定なし
意匠
◆ 保護の要件
パリ条約 第5条の5
意匠は、すべての同盟国において保護される。
TRIPs協定 第25条
(1) 加盟国は、独自に創作された新規性又は独創性のある意匠の保護について定める。加盟国は、意匠が既知の意匠又は既知の意匠の主要な要素の組合せと著しく異なるものでない場合には、当該意匠を新規性又は独創性のある意匠でないものとすることを定めることができる。加盟国は、主として技術的又は機能的考慮により特定される意匠については、このような保護が及んではならないことを定めることができる。
(2) 加盟国は、繊維の意匠の保護を確保するための要件、特に、費用、審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害さないことを確保する。加盟国は、意匠法又は著作権法によりそのような義務を履行することができる。
- パリ条約では、保護の約束のみ規定
- TRIPs協定では、保護の要件(「①独自に創作されたものであること」、「②新規性又は独創性があること」)を明確化し、繊維の保護も義務付けた。
◆ 効力&保護期間
TRIPs協定 第26条
(1) 保護されている意匠の権利者は、その承諾を得ていない第三者が、保護されている意匠の複製又は実質的に複製である意匠を用いており又は含んでいる製品を商業上の目的で製造し、販売し又は輸入することを防止する権利を有する。
(2) 加盟国は、第三者の正当な利益を考慮し、意匠の保護について限定的な例外を定めることができる。ただし、保護されている意匠の通常の実施を不当に妨げず、かつ、保護されている意匠の権利者の正当な利益を不当に害さないことを条件とする。
(3) 保護期間は、少なくとも10年とする。
- TRIPs協定では、商業上の目的での製造、販売、輸入することを防止する権利を有するとした
- 保護期間は少なくとも10年!
◆ 不実施に対する措置
パリ条約 第5条
- 意匠の保護は、当該意匠の実施をしないことにより又は保護される意匠に係る物品を輸入することによつては、失われない。
不実施の裁定を設けること自由だが、国内法では設けられていない!
商標
◆ 保護の登録要件
パリ条約 第6条
(1) 商標の登録出願及び登録の条件は、各同盟国において国内法令で定める。
(2) もつとも、同盟国の国民がいずれかの同盟国において登録出願をした商標については、本国において登録出願、登録又は存続期間の更新がされていないことを理由として登録が拒絶され又は無効とされることはない。
TRIPs協定 第15条
- ある事業に係る商品若しくはサービスを他の事業に係る商品若しくはサービスから識別することができる標識又はその組合せは、商標とすることができるものとする。その標識、特に単語(人名を含む。)、文字、数字、図形及び色の組合せ並びにこれらの標識の組合せは、商標として登録することができるものとする。標識自体によっては関連する商品又はサービスを識別することができない場合には、加盟国は、使用によって獲得された識別性を商標の登録要件とすることができる。加盟国は、標識を視覚によって認識することができることを登録の条件として要求することができる。
- 1の規定は、加盟国が他の理由により商標の登録を拒絶することを妨げるものと解してはならない。ただし、その理由が1967年のパリ条約に反さないことを条件とする。
- 加盟国は、使用を商標の登録要件とすることができる。ただし、商標の実際の使用を登録出願の条件としてはならない。出願は、意図された使用が出願日から3年の期間が満了する前に行われなかったことのみを理由として拒絶されてはならない。
- パリ条約では、各国で登録要件を定める旨を規定
- TRIPs協定では、サービスマークを保護対象に含めるとともに、具体的な商標の登録要件(単語、文字、数字、図形及び色の組合せ並びにこれらの標識の組合せ)を規定
- またTRIPs協定では、「識別性」や「商標の使用」を登録要件に加えることも認めている

サービスマークについては、パリ条約だと保護を約束するだけで登録の規定を設ける必要なし(6条の6)
◆ 使用による特別顕著性
パリ条約 第6条の5
- (1) 商標が保護を受けるに適したものであるか否かを判断するに当たつては、すべての事情、特に、当該商標が使用されてきた期間を考慮しなければならない。
◆ 品質の無制約
パリ条約 第7条
いかなる場合にも、商品の性質は、その商品について使用される商標が登録されることについて妨げとはならない。
TRIPs協定 第15条
- 商標が出願される商品又はサービスの性質は、いかなる場合にも、その商標の登録の妨げになってはならない。
- TRIPs協定ではサービスを対象に含めている点で異なる
もちろん国内法でも、商標登録に際して指定商品の品質は問われていない
◆ 優先期間内の登録は不問
パリ条約 第6条の5
F.第4条に定める優先期間内にされた商標の登録出願は、本国における登録が当該優先期間の満了後にされた場合にも、優先権の利益を失わない。
- 優先期間内に出願されていれば、優先期間経過後の登録であっても優先権の効力を認める必要がある
◆ 登録商標の独立
パリ条約 第6条
(3) いずれかの同盟国において正規に登録された商標は、他の同盟国(本国を含む。)において登録された商標から独立したものとする。
- 商標独立の原則
◆ 本国商標の保護
パリ条約 第6条の5
A.(1) 本国において正規に登録された商標は、この条で特に規定する場合を除くほか、他の同盟国においても、そのままその登録を認められかつ保護される。当該他の同盟国は、確定的な登録をする前に、本国における登録の証明書で権限のある当局が交付したものを提出させることができる。その証明書には、いかなる公証をも必要としない。
(2) 本国とは、出願人が同盟国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合にはその同盟国を、出願人が同盟国にそのような営業所を有しない場合にはその住所がある同盟国を、出願人が同盟国の国民であつて同盟国に住所を有しない場合にはその国籍がある国をいう。
TRIPs協定 第20条
商標の商業上の使用は、他の商標との併用、特殊な形式による使用又はある事業に係る商品若しくはサービスを他の事業に係る商品若しくはサービスと識別する能力を損なわせる方法による使用等特別な要件により不当に妨げられてはならない。このことは、商品又はサービスを生産する事業を特定する商標を、その事業に係る特定の商品又はサービスを識別する商標と共に、それと結び付けることなく、使用することを要件とすることを妨げるものではない。
- パリ条約では商標の形に関する限りそのまま同盟国で保護されることを規定
- TRIPs協定では、以下により商標の使用を不当に妨げてはならないことを規定
- 他の商標との併用
- 特殊な形式による使用
- 識別能力を損なわせる方法による使用
◆ 本国商標からの軽微な変更
パリ条約 第6条の5
- (2) 本国において保護されている商標の構成部分に変更を加えた商標は、その変更が、本国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えず、かつ、商標の同一性を損なわない場合には、他の同盟国において、その変更を唯一の理由として登録を拒絶されることはない。
- 商標の一部を翻訳した場合などを想定
◆ 保護期間
TRIPs協定 第18条
商標の最初の登録及び登録の更新の存続期間は、少なくとも7年とする。商標の登録は、何回でも更新することができるものとする。
- 最低限の存続期間と何回でも更新できることを規定
◆ 登録商標の効力
TRIPs協定 第16条
1 登録された商標の権利者は、その承諾を得ていないすべての第三者が、当該登録された商標に係る商品又はサービスと同一又は類似の商品又はサービスについて同一又は類似の標識を商業上使用することの結果として混同を生じさせるおそれがある場合には、その使用を防止する排他的権利を有する。同一の商品又はサービスについて同一の標識を使用する場合は、混同を生じさせるおそれがある場合であると推定される。そのような排他的権利は、いかなる既得権も害するものであってはならず、また、加盟国が使用に基づいて権利を認める可能性に影響を及ぼすものであってはならない。
- 同一又は類似の標識を使用により、混同を生じさせるおそれがある場合、その使用を防止できるとしている
国内法であれば、(混同を生じさせるおそれがあるかどうかにかかわらず)同一又は類似の使用を防止できる
◆ 効力の例外
TRIPs協定 第17条
加盟国は、商標権者及び第三者の正当な利益を考慮することを条件として、商標により与えられる権利につき、記述上の用語の公正な使用等限定的な例外を定めることができる。

国内法でいうところの26条(商標権の効力が及ばない範囲)
◆ 公告&登録取消し
TRIPs協定 第15条
- 加盟国は、登録前又は登録後速やかに商標を公告するものとし、また、登録を取り消すための請求の合理的な機会を与える。更に、加盟国は、商標の登録に対し異議を申し立てる機会を与えることができる。
- TRIPs協定では、登録商標の「公告」と「取消しの機会」を与えることを規定
- 「異議申立て」は任意
◆ 登録の拒絶/無効
パリ条約 第6条の5
B.この条に規定する商標は、次の場合を除くほか、その登録を拒絶され又は無効とされることはない。もつとも、第10条の2の規定の適用は、妨げられない。
1 当該商標が、保護が要求される国における第三者の既得権を害するようなものである場合
2 当該商標が、識別性を有しないものである場合又は商品の種類、品質、数量、用途、価格、原産地若しくは生産の時期を示すため取引上使用されることがある記号若しくは表示のみをもつて、若しくは保護が要求される国の取引上の通用語において若しくはその国の公正なかつ確立した商慣習において常用されるようになつている記号若しくは表示のみをもつて構成されたものである場合
3 当該商標が、道徳又は公の秩序に反するもの、特に、公衆を欺くようなものである場合。ただし、商標に関する法令の規定(公の秩序に関するものを除く。)に適合しないことを唯一の理由として、当該商標を公の秩序に反するものと認めてはならない。
- パリ条約では以下を拒絶・無効
① 不正競争行為を構成する商標
② 第三者の既得権を害する商標
③ 記述的商標、慣用商標
④ 道徳又は公の秩序に反する商標
◆ 周知商標の保護
パリ条約 第6条の2
(1) 同盟国は、1の商標が、他の1の商標でこの条約の利益を受ける者の商標としてかつ同一若しくは類似の商品について使用されているものとしてその同盟国において広く認識されているとその権限のある当局が認めるものの複製である場合又は当該他の1の商標と混同を生じさせやすい模倣若しくは翻訳である場合には、その同盟国の法令が許すときは職権をもつて、又は利害関係人の請求により、当該1の商標の登録を拒絶し又は無効とし、及びその使用を禁止することを約束する。1の商標の要部が、そのような広く認識されている他の1の商標の複製である場合又は当該他の1の商標と混同を生じさせやすい模倣である場合も、同様とする。
(2) (1)に規定する商標の登録を無効とすることの請求については、登録の日から少なくとも5年の期間を認めなければならない。同盟国は、そのような商標の使用の禁止を請求することができる期間を定めることができる。
(3) 悪意で登録を受け又は使用された商標の登録を無効とし又は使用を禁止することの請求については、期間を定めないものとする。
TRIPs協定 第16条
2 1967年のパリ条約第6条の2の規定は、サービスについて準用する。加盟国は、商標が広く認識されているものであるかないかを決定するに当たっては、関連する公衆の有する当該商標についての知識(商標の普及の結果として獲得された当該加盟国における知識を含む。)を考慮する。
3 1967年のパリ条約第6条の2の規定は、登録された商標に係る商品又はサービスと類似していない商品又はサービスについて準用する。ただし、当該類似していない商品又はサービスについての当該登録された商標の使用が、当該類似していない商品又はサービスと当該登録された商標の権利者との間の関連性を示唆し、かつ、当該権利者の利益が当該使用により害されるおそれがある場合に限る。
- パリ条約では、周知商標の登録を拒絶し無効とすることを規定している(要部の翻訳は規定なし)
同一 | 模倣 | 翻訳 | |
商標全体 | 〇 | 〇 | 〇 |
商標の要部 | 〇 | 〇 | ✖ |
- TRIPs協定では、サービスマークも保護対象になることを規定
- また、非類似であっても、商標権者との関連性が示唆され、その利益が害されるおそれがある場合は保護対象になることを規定
◆ 国の紋章等の保護
パリ条約 第6条の3
(1) (a) 同盟国は、同盟国の国の紋章、旗章その他の記章、同盟国が採用する監督用及び証明用の公の記号及び印章並びに紋章学上それらの模倣と認められるものの商標又はその構成部分としての登録を拒絶し又は無効とし、また、権限のある官庁の許可を受けずにこれらを商標又はその構成部分として使用することを適当な方法によつて禁止する。
(b) (a)の規定は、1又は2以上の同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称についても、同様に適用する。ただし、既に保護を保障するための現行の国際協定の対象となつている紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、この限りでない。
(c) いずれの同盟国も、この条約がその同盟国において効力を生ずる前に善意で取得した権利の所有者の利益を害して(b)の規定を適用することを要しない。(a)に規定する使用又は登録が、当該国際機関と当該紋章、旗章、記章、略称若しくは名称との間に関係があると公衆に暗示するようなものでない場合又は当該使用者と当該国際機関との間に関係があると公衆に誤つて信じさせるようなものと認められない場合には、同盟国は、(b)の規定を適用することを要しない。
国内法は以下の通り
- 外国国旗等と類似は、拒絶 (商4条1項1号)
- 紀章・紋章と類似は、拒絶 (商4条1項2号)
- 印章・記号と類似は、拒絶 (商4条1項5号)
- 外国国旗等は商標として使用禁止 (不16条)
◆ 商標の譲渡
パリ条約 第6条の4
(1) 商標の譲渡が、同盟国の法令により、その商標が属する企業又は営業の移転と同時に行われるときにのみ有効とされている場合において、商標の譲渡が有効と認められるためには、譲渡された商標を付した商品を当該同盟国において製造し又は販売する排他的権利とともに、企業又は営業の構成部分であつて当該同盟国に存在するものを譲受人に移転すれば足りる。
(2) (1)の規定は、譲受人による商標の使用が、当該商標を付した商品の原産地、性質、品位等について事実上公衆を誤らせるようなものである場合に、その商標の譲渡を有効と認める義務を同盟国に課するものではない。
TRIPs協定 第21条
加盟国は、商標の使用許諾及び譲渡に関する条件を定めることができる。もっとも、商標の強制使用許諾は認められないこと及び登録された商標の権利者は、その商標が属する事業の移転が行われるか行われないかを問わず、その商標を譲渡する権利を有することを了解する。
- パリ条約では、事業の移転と同時にのみ商標の譲渡が認められている場合でも、当該国内の事業を移転すれば足りるとしている
- TRIPs協定では、商標の強制使用許諾は認めないこと、商標の自由譲渡を認めることを規定
◆ 代理人による登録/使用
パリ条約 第6条の7
(1) 同盟国において商標に係る権利を有する者の代理人又は代表者が、その商標に係る権利を有する者の許諾を得ないで、1又は2以上の同盟国においてその商標について自己の名義による登録の出願をした場合には、その商標に係る権利を有する者は、登録異議の申立てをし、又は登録を無効とすること若しくは、その国の法令が認めるときは、登録を自己に移転することを請求することができる。ただし、その代理人又は代表者がその行為につきそれが正当であることを明らかにしたときは、この限りでない。
(2) 商標に係る権利を有する者は、(1)の規定に従うことを条件として、その許諾を得ないでその代理人又は代表者が商標を使用することを阻止する権利を有する。
(3) 商標に係る権利を有する者がこの条に定める権利を行使することができる相当の期間は、国内法令で定めることができる。
国内法は以下の通り
- 正当な理由のない代理人等の商標取り消し審判(商53条の2)
- 商53条の2の除斥期間は登録から5年(商53条の3)
- 正当な理由のない代理人等の商標使用は不正競争(不2条1項22号)
◆ 不使用に対する措置
パリ条約 第5条
C(1) 登録商標について使用を義務づけている同盟国においては、相当の猶予期間が経過しており、かつ、当事者がその不作為につきそれが正当であることを明らかにしない場合にのみ、当該商標の登録の効力を失わせることができる
2) 商標の所有者が1の同盟国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えることなく構成部分に変更を加えてその商標を使用する場合には、その商標の登録の効力は、失われず、また、その商標に対して与えられる保護は、縮減されない。
TRIPs協定 第19条
1 登録を維持するために使用が要件とされる場合には、登録は、少なくとも3年間継続して使用しなかった後においてのみ、取り消すことができる。ただし、商標権者が、その使用に対する障害の存在に基づく正当な理由を示す場合は、この限りでない。商標権者の意思にかかわりなく生じる状況であって、商標によって保護されている商品又はサービスについての輸入制限又は政府の課する他の要件等商標の使用に対する障害となるものは、使用しなかったことの正当な理由として認められる。
2 他の者による商標の使用が商標権者の管理の下にある場合には、当該使用は、登録を維持するための商標の使用として認められる。
- TRIPs協定では、「少なくとも3年間継続して使用しないこと」を取り消しの条件とし、また使用権者の使用も登録を維持するための使用として認められることを規定
◆ 共有者による使用
パリ条約 第5条
- (3) 保護が要求される国の国内法令により商標の共有者と認められる2以上の工業上又は商業上の営業所が同一又は類似の商品について同一の商標を同時に使用しても、いずれかの同盟国において、その商標の登録が拒絶され、又はその商標に対して与えられる保護が縮減されることはない。ただし、その使用の結果、公衆を誤らせることとならず、かつ、その使用が公共の利益に反しないことを条件とする。
- パリ条約では、共有者による使用を認めている
◆ 団体商標の保護
パリ条約 第7条の2
(1) 同盟国は、その存在が本国の法令に反しない団体に属する団体商標の登録を認めかつ保護することを約束する。その団体が工業上又は商業上の営業所を有しない場合も、同様とする。
(2) 各同盟国は、団体商標の保護について特別の条件を定めることができるものとし、また、公共の利益に反する団体商標についてその保護を拒絶することができる。
(3) もつとも、その存在が本国の法令に反しない団体に対しては、保護が要求される同盟国において設立されていないこと又は保護が要求される同盟国の法令に適合して構成されていないことを理由としては、その団体に属する団体商標の保護を拒絶することができない。
- パリ条約では、団体商標の登録を認めている
国内法では、以下の通り。
- 団体商標制度(商7条)
- 地域団体商標制度(商7条の2)
商号/地理的表示
◆ 商号/地理的表示の定義
パリ条約 第8条
商号は、商標の一部であるか否かを問わず、すべての同盟国において保護されるものとし、そのためには、登記の申請又は登記が行われていることを必要としない。
TRIPs協定 第22条
1 この協定の適用上、「地理的表示」とは、ある商品に関し、その確立した品質、社会的評価その他の特性が当該商品の地理的原産地に主として帰せられる場合において、当該商品が加盟国の領域又はその領域内の地域若しくは地方を原産地とするものであることを特定する表示をいう。
- パリ条約では「商号」、TRIPs協定では「地理的表示」として定義
国内法では、商法、会社法、商標法、不競法で保護
◆ 地理的表示の保護
TRIPs協定 第22条
2 地理的表示に関して、加盟国は、利害関係を有する者に対し次の行為を防止するための法的手段を確保する。
(a) 商品の特定又は提示において、当該商品の地理的原産地について公衆を誤認させるような方法で、当該商品が真正の原産地以外の地理的区域を原産地とするものであることを表示し又は示唆する手段の使用
(b) 1967年のパリ条約第10条の2に規定する不正競争行為を構成する使用
3 加盟国は、職権により(国内法令により認められる場合に限る。)又は利害関係を有する者の申立てにより、地理的表示を含むか又は地理的表示から構成される商標の登録であって、当該地理的表示に係る領域を原産地としない商品についてのものを拒絶し又は無効とする。ただし、当該加盟国において当該商品に係る商標中に当該地理的表示を使用することが、真正の原産地について公衆を誤認させるような場合に限る。
4 1、2及び3の規定に基づく保護は、地理的表示であって、商品の原産地である領域、地域又は地方を真正に示すが、当該商品が他の領域を原産地とするものであると公衆に誤解させて示すものについて適用することができるものとする。
- TRIPs協定では、公衆を誤認させる地理的表示を禁止している
- 虚偽表示でない場合であっても、公衆を誤認させるもは禁止
◆ ぶどう酒・蒸留酒の保護
TRIPs協定 第23条
1 加盟国は、利害関係を有する者に対し、真正の原産地が表示される場合又は地理的表示が翻訳された上で使用される場合若しくは「種類(kind)」、「型(type)」、「様式(style)」、「模造品(imitation)」等の表現を伴う場合においても、ぶどう酒又は蒸留酒を特定する地理的表示が当該地理的表示によって表示されている場所を原産地としないぶどう酒又は蒸留酒に使用されることを防止するための法的手段を確保する。
2 1のぶどう酒又は蒸留酒を特定する地理的表示を含むか又は特定する地理的表示から構成される商標の登録であって、当該1のぶどう酒又は蒸留酒と原産地を異にするぶどう酒又は蒸留酒についてのものは、職権により(加盟国の国内法令により認められる場合に限る。)又は利害関係を有する者の申立てにより、拒絶し又は無効とする。
- ぶどう酒/蒸留酒については、誤認を生じないものでも、虚偽の地理的表示を防止しなくてはならない
◆ 不法付着の取締
パリ条約 第9条
(1) 不法に商標又は商号を付した産品は、その商標又は商号について法律上の保護を受ける権利が認められている同盟国に輸入される際に差し押さえられる。
(2) 差押えは、また、産品に不法に商標若しくは商号を付する行為が行われた同盟国又はその産品が輸入された同盟国の国内においても行われる。
(3) 差押えは、検察官その他の権限のある当局又は利害関係人(自然人であるか法人であるかを問わない。)の請求により、各同盟国の国内法令に従つて行われる。
(4) 当局は、通過の場合には、差押えを行うことを要しない。
(5) 同盟国の法令が輸入の際における差押えを認めていない場合には、その差押えの代わりに、輸入禁止又は国内における差押えが行われる。
(6) 同盟国の法令が輸入の際における差押え、輸入禁止及び国内における差押えを認めていない場合には、その法令が必要な修正を受けるまでの間、これらの措置の代わりに、その同盟国の法令が同様の場合に内国民に保障する訴訟その他の手続が、認められる。
- パリ条約では、不法に商標/商号を付した産品の「輸入時の差し押さえ」、「国内の差し押さえ」を規定
- 「輸入時の差し押さえ」を認めていない場合は、「輸入禁止」、「国内の差し押さえ」を行う
- 「輸入禁止」、「国内の差し押さえ」を認めていない国は、これらの措置が整うまで「訴訟その他の手段」が認められる
◆ 虚偽表示の取締
パリ条約 第10条
(1) 前条の規定は、産品の原産地又は生産者、製造者若しくは販売人に関し直接又は間接に虚偽の表示が行われている場合についても適用する。
(2) (1)の産品の生産、製造又は販売に従事する生産者、製造者又は販売人であつて、原産地として偽つて表示されている土地、その土地の所在する地方、原産国と偽つて表示されている国又は原産地の虚偽の表示が行われている国に住所を有する者は、自然人であるか法人であるかを問わず、すべての場合において利害関係人と認められる。
- 虚偽の表示が行われている場合も「輸入時の差し押さえ」、「国内の差し押さえ」を行う

日本は不2条1項20号でカバー
◆ 紛争解決手段の拡充
パリ条約 第28条
(1) この条約の解釈又は適用に関する2以上の同盟国の間の紛争で交渉によつて解決されないものは、紛争当事国が他の解決方法について合意する場合を除くほか、いずれか1の紛争当事国が、国際司法裁判所規定に合致した請求を行うことにより、国際司法裁判所に付託することができる。紛争を国際司法裁判所に付託する国は、その旨を国際事務局に通報するものとし、国際事務局は、それを他の同盟国に通報する。
TRIPs協定 第64条
この協定に別段の定めがある場合を除くほか、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される1994年のガットの第22条及び第23条の規定は、この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。
- パリ条約では、紛争解決手段として国際司法裁判所に付託
- TRIPS協定では、WTOの紛争解決機関に提訴できる!
国際司法裁判所は判決に強制力がなく実効性に欠けていた…
WTOの紛争解決機関であれば、是正勧告に応じない場合、対抗措置をとれることができる!
共通の規定
◆ 産品への登録表示
パリ条約 第5条
D.権利の存在を認めさせるためには、特許の記号若しくは表示又は実用新案、商標若しくは意匠の登録の記号若しくは表示を産品に付することを要しない。
- 権利を取得していることを商品に表示することを義務化してはならない
国内法では努力義務の位置付け(特187条、実51条、意64条、商73条)
◆ 更新手続きの猶予
パリ条約 第5条の2
(1) 工業所有権の存続のために定められる料金の納付については、少なくとも6箇月の猶予期間が認められる。ただし、国内法令が割増料金を納付すべきことを定めている場合には、それが納付されることを条件とする。
(2) 同盟国は、料金の不納により効力を失つた特許の回復について定めることができる。
- 「更新時の猶予(少なくとも6ヶ月)」は必須(割増料金を条件としてもよい)
- 回復の規定は任意
◆ 保護期間の確保
TRIPs協定 第62条
2 知的所有権の取得について権利が登録され又は付与される必要がある場合には、加盟国は、権利の取得のための実体的な条件が満たされていることを条件として、保護期間が不当に短縮されないように、権利の登録又は付与のための手続を合理的な期間内に行うことを確保する。
- 権利を取得するための手続により、保護期間を短縮させてはならない
◆ 博覧会出品の仮保護
パリ条約 第11条
(1) 同盟国は、いずれかの同盟国の領域内で開催される公の又は公に認められた国際博覧会に出品される産品に関し、国内法令に従い、特許を受けることができる発明、実用新案、意匠及び商標に仮保護を与える。
(2) (1)の仮保護は、第4条に定める優先期間を延長するものではない。後に優先権が主張される場合には、各同盟国の主管庁は、その産品を博覧会に搬入した日から優先期間が開始するものとすることができる。
(3) 各同盟国は、当該産品が展示された事実及び搬入の日付を証明するために必要と認める証拠書類を要求することができる。
- 以下いずれかに出品された産品に仮保護を与えなければならない
– 同盟国領域内で開催された公の博覧会
– 公に認められた国際博覧会 - 産品を出品した日から優先期間を開始してもよい
- 証拠書類を要求してもよい
知的財産権の行使
◆ 侵害行為に対する措置
TRIPs協定 第41条
(1) 加盟国は、この部に規定する行使手続によりこの協定が対象とする知的所有権の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、当該行使手続を国内法において確保する。このような行使手続は、正当な貿易の新たな障害となることを回避し、かつ、濫用に対する保障措置を提供するような態様で適用する。
(2) 知的所有権の行使に関する手続は、公正かつ公平なものとする。この手続は、不必要に複雑な又は費用を要するものであってはならず、また、不合理な期限を付され又は不当な遅延を伴うものであってはならない。
- 侵害に対して効果的な措置を確保すること
- 濫用に対する保証措置を提供すること
- 手続きは、公正公平であること
◆ 公正かつ公平な手続き
TRIPs協定 第42条
加盟国は、この協定が対象とする知的所有権の行使に関し、民事上の司法手続を権利者に提供する。被申立人は、十分に詳細な内容(主張の根拠を含む。)を含む書面による通知を適時に受ける権利を有する。当事者は、独立の弁護人を代理人とすることが認められるものとし、また、手続においては、義務的な出頭に関して過度に重い要件を課してはならない。手続の当事者は、その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠を提出することについての正当な権利を有する。手続においては、現行の憲法上の要請に反さない限り、秘密の情報を特定し、かつ、保護するための手段を提供する。
- 権利の行使に際して、民事上の司法手続きを提供すること
- 弁護人を代理人とすることが認められる
- 義務的な出頭に関して過度に重い要件を課してはならない
- 秘密情報を保護するための手段を提供すること
◆ 証拠
TRIPs協定 第43条
1 一方の当事者がその主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠を提出し、かつ、他方の当事者の有する当該主張の裏付けに関連する証拠を特定した場合には、司法当局は、適当な事実において秘密の情報の保護を確保することを条件として、他方の当事者にその特定された証拠の提示を命じる権限を有する。
2 手続の一方の当事者が必要な情報の利用の機会を故意にかつ十分な理由なしに拒絶し若しくは合理的な期間内に必要な情報を提供せず又は行使に関連する手続を著しく妨げる場合には、加盟国は、双方の当事者が主張又は証拠に関し意見を述べる機会を与えられることを条件として、提供された情報(情報の利用の機会の拒絶によって悪影響を受けた他方の当事者が提示した申立て又は主張を含む。)に基づいて、暫定的及び最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)を行う権限を司法当局に与えることができる。
- 司法当局は証拠の提示を命じる権限を有する
- 司法当局に暫定的/最終的な決定を行う権限を与えることができる
◆ 差止命令
TRIPs協定 第44条
1 司法当局は、当事者に対し、知的所有権を侵害しないこと、特に知的所有権を侵害する輸入物品の管轄内の流通経路への流入を通関後直ちに防止することを命じる権限を有する。加盟国は、保護の対象であって、その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関しては、当該権限を与える義務を負わない。
2 政府又は政府の許諾を受けた第三者が権利者の許諾を得ないで行う使用については、当該使用を明示的に定める第2部の規定に従うことを条件として、加盟国は、この部の他の規定にかかわらず、当該使用に対する救済措置を、第31条(h)の規定による報酬の支払に限定することができる。当該使用であってそのような救済措置の限定の対象とならないものについては、この部に定める救済措置が適用され、又は、当該救済措置が国内法令に抵触する場合には、宣言的判決及び適当な補償が行われるものとする。
- 司法当局は、以下の権限を有する
– 知的財産権を侵害しないこと
– 侵害物品の流入防止を命ずること - 裁定による使用に該当するようなケースでは、費用の支払いに限定できる
◆ 損害賠償請求
TRIPs協定 第45条
1 司法当局は、侵害活動を行っていることを知っていたか又は知ることができる合理的な理由を有していた侵害者に対し、知的所有権の侵害によって権利者が被った損害を補償するために適当な賠償を当該権利者に支払うよう命じる権限を有する。
2 司法当局は、また、侵害者に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を権利者に支払うよう命じる権限を有する。適当な場合において、加盟国は、侵害者が侵害活動を行っていることを知らなかったか又は知ることができる合理的な理由を有していなかったときでも、利益の回復又は法定の損害賠償の支払を命じる権限を司法当局に与えることができる。
- 司法当局は、以下いずれかに該当する者に対して損害賠償を命ずる権限を有する
– 侵害活動を行っていることを知っていた
– 知ることができる合理的な理由を有する - 司法当局は、侵害者に対して裁判費用の支払いを命ずる権限を有する
◆ 侵害物品等の排除
TRIPs協定 第46条
侵害を効果的に抑止するため、司法当局は、侵害していると認めた物品を、権利者に損害を与えないような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除し又は、現行の憲法上の要請に反さない限り、廃棄することを命じる権限を有する。司法当局は、また、侵害物品の生産のために主として使用される材料及び道具を、追加の侵害の危険を最小とするような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除することを命じる権限を有する。このような申立てを検討する場合には、侵害の重大さと命ぜられる救済措置との間の均衡の必要性及び第三者の利益を考慮する。不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることはできない。
- 司法当局は、侵害物品の排除/廃棄を命ずる権限を有する
- 商標の侵害については、商標の除去のみによる再流入を認めてはならない
◆ 侵害者の通報
TRIPs協定 第47条
加盟国は、司法当局が、侵害の重大さとの均衡を失しない限度で、侵害者に対し、侵害物品又は侵害サービスの生産又は流通に関与した第三者を特定する事項及び侵害物品又は侵害サービスの流通経路を権利者に通報するよう命じる権限を有することを定めることができる。
- 司法当局は、以下の内容を権利者に通報するよう命じる権限を有する
– 生産/流通に関与した第三者の特定事項
– 侵害品又はサービスの流通経路

日本は採用していない
◆ 被申立人に対する賠償
TRIPs協定 第48条
1 司法当局は、当事者に対し、その申立てにより措置がとられ、かつ、当該当事者が行使手続を濫用した場合には、その濫用により不法に要求又は制約を受けた当事者が被った損害に対する適当な賠償を支払うよう命じる権限を有する。司法当局は、また、申立人に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を被申立人に支払うよう命じる権限を有する。
- 司法当局は、行使手続きを乱用したものに対して、当事者が被った損害賠償の支払いを命ずる権限を有する
- 司法当局は、行使手続きを乱用したものに対して、裁判費用の支払いを命ずる権限を有する
国境措置
◆ 物品の解放停止
TRIPs協定 第51条
加盟国は、この節の規定に従い、不正商標商品又は著作権侵害物品が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続を採用する。加盟国は、この節の要件を満たす場合には、知的所有権のその他の侵害を伴う物品に関してこのような申立てを可能とすることができる。加盟国は、自国の領域から輸出されようとしている侵害物品の税関当局による解放の停止についても同様の手続を定めることができる。
- 「不正商標商品」及び「著作権法侵害物品」が輸入されるおそれがある場合、自由な流通への開放を停止するよう申し立てることができる手続を採用すること
- その他の知的財産権の侵害物品が輸入されるおそれがある場合は任意
- 輸出に関しても任意
◆ 申立て
TRIPs協定 第52条
前条の規定に基づく手続を開始する権利者は、輸入国の法令上、当該権利者の知的所有権の侵害の事実があることを権限のある当局が一応確認するに足りる適切な証拠を提出し、及び税関当局が容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述を提出することが要求される。権限のある当局は、申立てを受理したかしなかったか及び、権限のある当局によって決定される場合には、税関当局が措置をとる期間について、合理的な期間内に申立人に通知する。
- 侵害の事実があることを「一応確認するに足りる適切な証拠」及び「物品に関する十分詳細な記述」を提出
- 税関当局者は措置をとる期間について申立人に通知
◆ 担保又は同等の保証
TRIPs協定 第53条
1 権限のある当局は、申立人に対し、被申立人及び権限のある当局を保護し並びに濫用を防止するために十分な担保又は同等の保証を提供するよう要求する権限を有する。担保又は同等の保証は、手続の利用を不当に妨げるものであってはならない。
- 被申立人/当局を保護するため、濫用を防止するために、十分な担保又は同等な保証を要求する権限を要する
◆ 解放停止の通知
TRIPs協定 第54条
輸入者及び申立人は、第51条の規定による物品の解放の停止について速やかに通知を受ける。
- 輸入者/申立人は解放の停止について通知を受ける
◆ 解放停止の期間
TRIPs協定 第55条
申立人が物品の解放の停止の通知の送達を受けてから10執務日(適当な場合には、この期間は、10執務日延長することができる。)を超えない期間内に、税関当局が、本案についての決定に至る手続が被申立人以外の当事者により開始されたこと又は正当に権限を有する当局が物品の解放の停止を延長する暫定措置をとったことについて通報されなかった場合には、当該物品は、解放される。ただし、輸入又は輸出のための他のすべての条件が満たされている場合に限る。本案についての決定に至る手続が開始された場合には、合理的な期間内に、解放の停止を変更するか若しくは取り消すか又は確認するかの決定について、被申立人の申立てに基づき意見を述べる機会の与えられる審査を行う。第1段から第3段までの規定にかかわらず、暫定的な司法上の措置に従って物品の解放の停止が行われ又は継続される場合には、第50条6の規定を適用する。
- 解放停止の通知から10執務日以内に以下いずれかの通報がされない場合は、物販は解放される
– 決定に至る手続きが開始されたこと
– 解放停止を延長する暫定措置 - 決定に至る手続きが開始された場合、被申立人の手続きにより、意見を述べる機会が与えられる
◆ 輸入者及び所有者への賠償
TRIPs協定 第56条
関係当局は、物品の不法な留置又は第55条の規定に従って解放された物品の留置によって生じた損害につき、申立人に対し、物品の輸入者、荷受人及び所有者に適当な賠償を支払うよう命じる権限を有する。
- 不法な留置については、申立人に対して適当な賠償を支払うように命じる権限を有する
◆ 点検及び情報に関する権利
TRIPs協定 第57条
秘密の情報の保護を害することなく、加盟国は、権限のある当局に対し、権利者が自己の主張を裏付けるために税関当局により留置された物品を点検するための十分な機会を与える権限を付与する。当該権限のある当局は、輸入者に対しても当該物品の点検のための同等の機会を与える権限を有する。本案についての肯定的な決定が行われた場合には、加盟国は、権限のある当局に対し、当該物品の荷送人、輸入者及び荷受人の名称及び住所並びに当該物品の数量を権利者に通報する権限を付与することができる。
- 税関当局により留置された物販を点検するために十分な機会を与える権限を付与する
- 荷送人/輸入者/荷受人の名称・住所/荷物の数量を権利者に通報する権限を付与することができる
◆ 職権による行為
TRIPs協定 第58条
加盟国において、権限のある当局が、ある物品について知的所有権が侵害されていることを伺わせる証拠を得た際に職権により行動して当該物品の解放を停止する制度がある場合には、
(a) 当該権限のある当局は、いつでも権限の行使に資することのある情報の提供を権利者に求めることができる。
(b) 輸入者及び権利者は、速やかにその停止の通知を受ける。輸入者が権限のある当局に対し当該停止に関して異議を申し立てた場合には、当該停止については、第55条に定める条件を準用する。
(c) 加盟国は、措置が誠実にとられ又はとることが意図された場合に限り、公の機関及び公務員の双方の適当な救済措置に対する責任を免除する。
- 職権で物品の解放を停止する制度がある場合の規定
◆ 救済措置
TRIPs協定 第59条
権利者の他の請求権を害することなく及び司法当局による審査を求める被申立人の権利に服することを条件として、権限のある当局は、第46条に規定する原則に従って侵害物品の廃棄又は処分を命じる権限を有する。不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、当該権限のある当局は、変更のない状態で侵害商品の積戻しを許容し又は異なる税関手続に委ねてはならない。
- 当局は、以下を条件として、侵害物品の廃棄/処分を命じる権限を有する
– 権利者の他の請求権を害しない
– 審査を求める被申立人の権利に服する
◆ 少量の輸入
TRIPs協定 第60条
加盟国は、旅行者の手荷物に含まれ又は小型貨物で送られる少量の非商業的な性質の物品については、上述の規定の適用から除外することができる。
- 旅行者の個人的な荷物又は小型貨物で送られる少量の非商業的な物品については、国境措置に関する規定から除外できる
刑事罰
◆ 故意による侵害
TRIPs協定 第61条
加盟国は、少なくとも故意による商業的規模の商標の不正使用及び著作物の違法な複製について適用される刑事上の手続及び刑罰を定める。制裁には、同様の重大性を有する犯罪に適用される刑罰の程度に適合した十分に抑止的な拘禁刑又は罰金を含む。適当な場合には、制裁には、侵害物品並びに違反行為のために主として使用される材料及び道具の差押え、没収及び廃棄を含む。加盟国は、知的所有権のその他の侵害の場合、特に故意にかつ商業的規模で侵害が行われる場合において通用される刑事上の手続及び刑罰を定めることができる。
- 故意による商標の不正使用及び著作物の違法な複製についての刑事罰を定めること
- 商標及び著作物以外の侵害についても刑事罰を定めることができる
まとめ
【基本原則】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
内国民待遇 | 〇 | 〇 |
最良国待遇 | ー | 〇 |
優先権制度 | 〇 | ー |
特許独立の原則 | 〇 | ー |
【特許】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
保護の要件 | ー | 〇 |
明細書の記載要件 | ー | 〇 |
公序良俗違反 | 〇 | 〇 |
産業上利用できない発明 | ー | 〇 |
効力 | 〇 | 〇 |
効力が及ばない範囲 | 〇 | 〇 |
裁定 (全般) | ー | 〇 |
裁定 (公共の利益) | ー | 〇 |
裁定 (不実施) | 〇 | ー |
裁定 (利用抵触) | ー | 〇 |
発明者掲載権 | 〇 | ー |
取消し | ー | 〇 |
保護期間 | ー | 〇 |
【意匠】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
保護の要件 | 〇 | 〇 |
効力 | ー | 〇 |
保護期間 | ー | 〇 |
不実施に対する措置 | 〇 | ー |
【商標】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
保護の要件 | 〇 | 〇 |
使用による特別顕著性 | 〇 | ー |
品質の無制約 | 〇 | 〇 |
優先期間内の登録は不問 | 〇 | ー |
登録商標の独立 | 〇 | ー |
本国商標の保護 | 〇 | 〇 |
本国商標からの軽微な変更 | 〇 | ー |
保護期間 | ー | 〇 |
効力 | ー | 〇 |
効力の例外 | ー | 〇 |
公告&登録取消し | ー | 〇 |
登録の拒絶/無効 | 〇 | ー |
周知商標の保護 | 〇 | 〇 |
国の紋章等の保護 | 〇 | ー |
商標の譲渡 | 〇 | 〇 |
代理人による登録/使用 | 〇 | ー |
不使用に対する措置 | 〇 | 〇 |
共有者による使用 | 〇 | ー |
団体商標の保護 | 〇 | ー |
【商号/地理的表示】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
商号/地理的表示の定義 | 〇 | 〇 |
地理的表示の保護 | ー | 〇 |
ぶどう酒・蒸留酒の保護 | ー | 〇 |
不法付着の取締 | 〇 | ー |
虚偽表示の取締 | 〇 | ー |
【その他共通の規定】
パリ条約 | TRIPs協定 | |
産品への登録表示 | 〇 | ー |
更新手続きの猶予 | 〇 | ー |
保護期間の確保 | ー | 〇 |
博覧会出品の仮保護 | 〇 | ー |
紛争解決手段 | 〇 | 〇 |
知的財産権の行使 | ー | 〇 |
国境措置 | ー | 〇 |
刑事罰 | ー | 〇 |
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