医薬品卸の談合問題について思うこと

つぶやき

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おはようございます。

本日の記事は「つぶやき」です。

「医薬品卸の談合問題」について感じたモヤモヤをお話ししたいと思います。

え?何で卸の談合問題に興味があるのかって??

それは…

初めて入社した会社が卸

だったからです。

卸って何?

卸ってご存じですか??

メーカーから商品を仕入れて、小売店やお客さんにその商品を販売する会社です。

つまり、

メーカー  ⇒    ⇒  (小売り店)  ⇒  お客さん
の流れとなります。
Ataru
Ataru

ボクの勤めていた会社では研究機材全般を扱っていたので、メーカーから機材を仕入れて、お客さん(大学の研究室)に届けていました。

ちなみに卸と商社の違いってご存じですか?

広義的な「卸」には「商社」が含まれるようですが、卸と商社は別の業種として区別されているように感じます。

「商社」は「物流の機能」を有さないものとされています。

具体的には、生産者から原料(石油・鉄鋼・繊維など)を買い付けて、メーカーへの販売を担う会社を指す場合が多いです。

つまり、

生産者   ⇒  商社  ⇒  メーカー

の流れとなります。

卸は値段を釣り上げている?

卸会社というと、皆さんはどんなイメージをもたれていますか?

Ataru
Ataru

メーカーとお客さんの間に入って、商品の値段を釣り上げているイメージがありませんか?

そうなんです。イメージが悪いんです!

最近は「転売ヤー」という問題も出てきているので、その立場はどんどん悪くなっているかもしれませんね^^;

でも…本当に卸会社は社会にとって不要な存在なのでしょうか?

実際に働いてみてわかったこと

メーカーから直接商品を買えば、もっと安く買える。

だから卸会社は搾取しているのでは?

Ataru
Ataru

ボクはそう思っていました。

でも、実際に卸で働いてみて、この考えは正しくないことがわかりました。

というのも卸を利用することで、メーカーは営業のコストを削減できます。

なので、卸は定価よりも安く商品を仕入れます(これを「仕入れ値」といいます)。

これはお客さんのために安くしているわけではなく、営業コストを削減できる対価。

つまり卸の取り分なんです。

Ataru
Ataru

メーカーからも、なるべく「定価」で卸すように指示されます。

…とはいっても、コッソリ定価よりも安く売る場合がほとんどです^^;

もし卸がいないと?

例えば、新しい顕微鏡一つ買いたいとします。

インターネットで調べてもよくわからないけど、適当に買うには高価な買い物なので、メーカーの営業を呼んで説明を聞きます

メーカーの営業は自分の商品を必死にアピールするので、各メーカーの営業を呼んで、それぞれの説明を統合して考える必要があります

この手間が大変なんです…

Ataru
Ataru

一世一代の買い物ならこうするけど、イチイチそんなことやってられない…

結局、「ネームバリュー」「一番安いもの」で選んでしまいますよね。

卸がいれば

一方、卸が間に入れば、顧客の要望を聞いて一番適したものを紹介できます!

先ほどの顕微鏡を例にすると

学生の実習用として使いたい

Ataru
Ataru

使い易くて、安いもの)

一流ジャーナル用のデータをとりたい

Ataru
Ataru

ネームバリューがあってハイスペックなもの)

データを集めるために使いたいけど…お金がない!

Ataru
Ataru

(う~ん…「ネームバリューはないけど、ハイスペックとして注目されているもの」もしくは「ネームバリューはあるけど安売りされているもの」…キャンペーン情報を漁ってみるかな~)

といった具合に、お客さんにとって最適な会社の製品情報を提供できます
メーカーにしても、営業の無駄な訪問を減らせますよね。

ということで、卸は社会にとって有益な存在なのです(*’▽’)♪

経済の成長とは

経済学の観点からも卸が有益な存在であるように思います。

発展途上国は、働けるもの全員が働いて働けない人々を支えているのに貧しい状態。

先進国は、まったく働かない人々が大勢いるのに、もっとも貧しい人でさえ、発展途上の社会よりも豊かな生活。

経済学の父と呼ばれるアダム・スミスの分業理論によれば、

この違いは「分業がどれだけ進んでいるかどうか」とされているようです。

Ataru
Ataru

一人で何でもかんでもこなすよりも、「食べ物を供給する人」、「家を建てる人」、「服を作る人」といった具合に分業していった方が効率的ってことですね!

参考図書↓

よって、メーカーが商品の製造から流通までを担うよりも、流通を専門に担う卸が間に入った方が効率的=社会にとってのメリットがあるはず…

医薬品卸の談合問題

それでは本題に戻ります。

今から2年ほど前のニュースですが、「医薬品卸大手4社の談合」が発覚して大騒ぎになりましたね。

つい最近では、「九州の医薬品卸6社談合疑惑」というニュースも見かけました。

医薬品の業界にも卸(医薬品卸)が存在します。

医薬品卸は、製薬メーカーから「薬」を仕入れて「病院(薬局)」に販売しています。

医薬品卸4社が談合をしたことで、医薬品の値段が高止まりしてしまったということです

自らの利益のために法を犯すなんてけしからん!

そう思われた方、多いかもしれませんね。

ですが、(業界は違いますが)元々卸で働いていた経験として…このニュースにモヤモヤを感じてしまいました…

というのも、行政による強引な電子入札制度の導入が背景にあるように感じてなりません…

電子入札制度とは?
Ataru
Ataru

ボクが担当していた国立研究機関で電子入札制度が導入された経験があります。

以前までであれば、商品を紹介した卸がその商品をお客さんに売るという暗黙の了解がありました。

Ataru
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まあ、そうあるべきですよね。お客さんのために走り回った卸が商品を売るべきです。

しかし、電子入札制度の導入によって、お客さん(研究者)と卸との間で直接取引をすることができなくなりました

【電子入札の流れ】

  1. お客さんは欲しい商品を卸に相談
  2. 卸は商品を探し回る
  3. お客さんは欲しい商品を決める
  4. お客さんは買いたい商品を雇い主(研究機関)に申請
  5. 買いたい商品が一覧になって公開
  6. 各卸会社が売値を入力
  7. 一番安い卸が販売の権利を獲得
Ataru
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ボクの担当していたところでは、1円の商品であったとしても電子入札の対照でした(TT)

この制度の導入によって、紹介をせずに激安の金額を入力して権利を奪い取る卸で溢れ返りました。

激安というのは「仕入れ値+1円」とか、酷いと仕入れ値以下だったりします。

Ataru
Ataru

仕入れ値なんて、どこもたいして変わりません。商品の紹介をやめた会社の方が有利です…

それでもお客さんから「来てほしい(TT)」って言われてしまうと、断れないんですけどね…

電子入札制度によって不利益を被ったもの

先ほどの国立研究機関にしても、名前の通り国の機関ですからね…

行政の立場からしたら出来るだけ安く買いたい(研究費を抑えたい)という気持ちはわかります。

しかし、電子入札制度が導入されると商品を紹介するメリットがなくなります。入札だけしていればいいので、紹介のコストが無駄です。

もちろん卸は壊滅的なダメージを受けますが、最終的に不利益を被るのはお客さんとメーカーです。

Ataru
Ataru

ネームバリューと値段だけで選ぶ時代に逆戻り…

目先のコストカットによって、社会を衰退させていませんか?

医薬品業界の卸
Ataru
Ataru

今回のニュースで話題になっているのは医薬品業界の卸なので深い事情はわかりません。

ですが、同様な問題が生じているような気が…

医薬品業界で電子入札を進めるメリット、それは薬価です。

薬価は定期的に見直しがされて「流通価格」に応じて少しずつ安くなります。

つまり、卸から購入する金額が安くなるほど、薬価が下がります。

皆様ご存知の通り、日本は少子高齢化によって社会保障費が膨れ上がっています

Ataru
Ataru

電子入札制度の導入によって、強引に薬価を下げようとしているのでは?

これに対抗するための談合だったのでは?

というのがボクのモヤモヤでした。

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