アメリカで最も成功した女性実業家の一人、
メアリー・ケイをご存知ですか?
彼女は1918年、アメリカのテキサスで生まれました。
優秀な販売員だった彼女ですが、
“女性だから” という理由で、昇給することもなければ、出世することもありません。
それなのに、自分の育てた後輩がどんどん出世していく矛盾を味わうことに。
こういった背景から、
(女性が満足な収入を得て自由になれる、希望と夢をの会社を作りたい)
という思いが芽生えたそうです。
1963年、彼女は化粧品の販売会社を創業し、一風変わったビジネスモデルを取り入れます。
- 販売員は、個人事業主(=給与は実績)
- 販売員は、販売員を自由に勧誘できる
- 販売員は、自ら勧誘した販売員が実績を上げるとその一部を自らに還元できる
これによって、経験のある販売員が新人教育に力を入れました。
彼女の会社は大成功!
彼女の功績は、数々のメディアで取り上げられています。
- アメリカで最も働きたい企業100(Fortune)
- 全米で女性が最も働きやすい企業Top10(Fortune)
- 20世紀で最も優れた女性起業家
(Lifetime TV network)
ですが、、、
彼女が取り入れたこのビジネスモデルこそ
「マルチ商法」
よく知られているとおり、詐欺まがいの行為が多発するグレーな存在です。
果たしてマルチ商法は、存在自体が悪なのか?
それとも悪用されやすいだけなのか?
この記事では、マルチ商法の説明会に勧誘されたボクの体験談をお話しします。
前回までのお話
とあるブラック企業で働くボクは当時25歳
就活で大失敗してブラック企業にこき使われていた頃のお話です。
ひょんなことから人生の成功者「オクダさん(仮名)」とお近づきになったボク。
今度ウチにおいでよ〜
そこで目にしたものは、「別世界」
彼は、「冴えない会社員」から「ビジネスオーナー」へと大変貌を遂げた成功者でした。
ボクはブラック企業を抜け出したかっただけ。
成功者になりたいなんて思ってもいませんでしたが、彼のコミュニティーとかかわるうちに少しづつ興味が湧いていき…
そしてついに、
オクダさんの成功のきっかけとなる秘密の副業を知ることになります。
オクダさんが最初に成功したビジネスは「ネットワークビジネス」。
興味があるなら、ちゃんとした説明会に案内してあげるよ。
ボクは白うさぎを追いかけて
不思議の国の奥深くへ迷い込んでいくのでした。
\ 前回のお話はこちら /
不思議の国の説明会
説明会の話を教えてもらった時の心境は、
とにかく嬉しかった。
単なる趣味の域を超えて、大きな夢に向かっ前に進んでいくフジタさん達に憧れていた。
そんな彼らの仲間として認めてもらえたことが嬉しかった。
…がしかし、
そんな気持ちは、一瞬で吹き飛びます
そういえば、ネットワークビジネスってなんだろう…?
ネットワークといえば、インターネットを利用したビジネスかなにか?
そんなふうに考えていました。
カタカタ…
パチッ!
ネットワークビジネスとは
別名…
マルチ商法
「宗教」、「信者」、「マインドコントロール」、「詐欺」、「犯罪」…etc
え?!
えぇーー!!!
スマホの画面に表示されたのは
不吉なワードの羅列
(どうゆうこと??)
(フジタさんが詐欺師…!?)
(もしかして、、、騙されてる?)
じんわりと
冷たい感覚が広がっていきました…
そして当日
説明会の会場は、キャッシュフローゲームと同じ小さな雑居ビル
フジタさんと一緒に会場へ向かいました。
その道のりで、不意打ちの一言を投げかけられます。
ネットワークビジネスって評判悪いでしょー?
・・・・・え?
(怪しんでることバレてる!?)
え、、、な、何でですか?
いや、これから説明会って言ってるんだから、フツー調べるでしょ?
たしかに…そうか。
ネットワークビジネスであること隠して説明会に誘うと法に触れます。
詐欺を疑いながらモヤモヤとした雰囲気が漂うのはお決まりのパターンなんです。
説明会の始まり
ネットワークビジネス=マルチ商法
ボクの頭の中でイメージされた会場は「オレオレ詐欺のアジト」でした。
詐欺?…マインドコントロール…?
その実態は…
the ホワイト企業
スーツを着たさわやかな男女30-40人が、和気あいあいと談笑していました。
そう。
不思議の国の住人はごく普通の会社員
しかも、疲れ切ったブラック企業ではなく、笑顔溢れるホワイト企業のような雰囲気なのです。
(うちの会社とは大違いだ)
開始時刻になると
30歳くらいの男性が現れました。
わざわざ来てくれてありがとう♪
彼の名前は「ホリイさん(仮名)」
約10年前、内資系の超一流企業に入社。
ピカピカの名刺を振りかざしながら、誰もが羨むような生活を謳歌していました。
しかし
そんな暮らしは、あっという間に日常へと変わります。
微々たる昇給を賭けて、選び抜かれた超エリート達との熾烈な出世競争。
働けば働くほど、自分の時間が奪われていくことに矛盾を感じていました。
そんな時、オクダさんと出会いビジネスオーナーという働き方、
“他力で利益を生み出す仕組みを作っていく”
という働き方があることを知り、衝撃を受けます。
オクダさんに弟子入りした彼は、
- 比較的安価(数十万円)で開始できる
- 店舗を構えないので固定費不要
- 副業として取り組める
といったメリットに目を向け、「ネットワークビジネス」でビジネスオーナーの働き方を学ぶことにしたそうです。
そこで成功をおさめた彼は会社を退職して、
イベントの企画、飲食店、不動産、などなど
ネットワークビジネスで得た知識とお金をベースに、次々と新しいことへ挑戦している。
…そんな話でした。
ボクの感想
たった一人で話し続けて約3時間
説明会が終了しました。
率直な感想
(めちゃくちゃ面白い…!!!)
ビジネスオーナーの働き方にも興味をもちましたが、それ以上にボクが惹かれたものは彼のプレゼン力でした。
「ユーモアを交えたトーク」と「深い気づき」のコラボレーション
パワーポイントを使わず、ホワイトボードだけでこれだけ人を惹きつけられるなんて!?
まさに、神業!(°_°)
そして、
ボクはこう思ったのです。
たとえ、壮絶な日々が待ち構えていようとも
たとえ、全財産を失うことになっても、
たとえ、信者と罵られようとも、
彼のような人の心を動かす力を学びたい!
こうしてボクは、
不思議の国の住人となりました。
そして7ヶ月後に辞めます。今は一切関わっていません。
不思議の国の光と影
それでは、、、
実際に不思議の国へ足を踏み入れてしまったボクの感想。
「人を動かす力」を学ぶことができるのか?
もちろん法に触れないことは大前提で、かつ、スキルを磨く目的であれば、マルチの世界に飛び込んでもいいものなのか?
についてお話しします。
スキルを得られる?
まずは、不思議の国で「人を動かす力」を学べるか?
ボクの見解は、、、Yesです。
マルチといえば、高額な入会金を騙し取るイメージがあるかもしれませんが、その方法で成功する人は見たことがありません。
なぜなら、すぐに訴えられて、全てを失ってしまうからです。
マルチの活動をするには、そのビジネスモデルを取り入れている会社と契約を結ぶ必要があります。
もちろん身分証を提出しているので、トラブルを起こせば簡単に個人を特定され、数千〜数万円の紹介料と引き換えに、数十万で得た販売者としての資格を失います。
悪質であれば法的な処罰を受けるかも知れません。
大切なことは
グレーな業界だからこそ、徹底的な法遵守。
そのうえで、勧誘した後輩達にノウハウの全てを託して、彼らの得た利益の一部を貰い受けることです。
このように、チーム作りを通して、人を動かす力を学んでいきます。
お金を払ってでも、
その環境にいたい、
そこで働きたい
と思わせる力を学べることは、大変価値があると思います。
絶対にオススメしない
ですが、
どんなに魅力的なスキルが学べるからといっても、不思議の国に踏み入ることはおすすめできません。
その理由は以下の通り。
1. 元のレールに戻れなくなる!
マルチの世界に足を踏み入れるということは、アイドルやスポーツ選手を目指すこと以上に危険な選択ということです。
マルチで成功できる人は一握り。
みんなが成功できるわけではありません。
しかし、途中で元のレール戻ろうとしても、マルチの世界で挫折したことを理解してくれる人がいるでしょうか?
結果としていつまで経っても元のレールに戻れず、マルチの肥やしになり続けるか、非正規雇用を渡り歩くことに…
2. 麻薬のような誘引力
それなら、副業として続けている間に元のレールへ戻ればいいのでは?
と思うかも知れませんが、マルチの世界では、途中で辞めたくないと思わせる仕組みが綿密に構成されています。
その詳細をシンプルに伝えることはなかなか難しいのですが、例えるなら…麻薬です。
これと同じように、人の力では争うことのできない引力に囚われてしまうと思ってください。
3. 犯罪に巻き込まれる可能性!
人を動かす力が学べると言いましたが、勧誘された人にもよるかもしれません。
誰でも始められるビジネスモデルだからこそ、目先の利益や感情で行動してしまう変な人が末端に多いことも事実なのです。
【昔の自分へ】
今から振り返れば、
マルチの世界に足を踏み入れてしまった理由の根底に、焦り気持ちがあったように思います。
就活で失敗して、毎日が辛かった。
ピカピカな大企業に就職した同級生達が、一大プロジェクトに参加していく中、ボクはボロボロの機材車でへこへこ荷物運び。
たった一人泥沼に取り残されていくような、
そんな焦りがありました。
そんなボクの元に舞い込んだマルチという副業は、大逆転の可能性を秘めた博打のような感覚があったんだと思います。
そんな昔のボクに言いたいことは、
「焦らなくて大丈夫」
ということ。
3年、5年後の転職を目標に、コツコツ努力を積み上げていけば、いくらでも挽回できる
就活で失敗した経験、
そこから這い上がっていった経験こそが、将来のライバル達と戦うための強力な武器になる。
だから、
絶対にマルチ世界に足を踏み入れてはいけない
借金を返済するために、カジノへ行くようなものだと思う。
時間はたっぷりあるんだから、コツコツ頑張ればいいんだよ。
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