社会人として新たなステージに進んだ友人達は、壮大な夢の続き
有名大学から集結した新たな仲間達とともに、新たな壁に立ち向かっていきます。
学生時代とはスケールの異なる”本物の壁”
それを乗り越えて、更なる高みへ…
小さくなっていく彼らの影を眺めながら、
時折り響く感嘆の声に耳を傾けながら、
ボクは深い谷底にいました。
ジメジメしたオフィス
誰でもできる雑用というかほぼ肉体労働
同期同士のイジメやら盗難事件やら、くだらないやり取り
なんのスキルも得られない仕事に拘束されて、谷底から一歩も前に進めない。
彼らに追いつくどころか、
どんどん引き離されていく。
だから、
一度レールから外れたら二度と戻れない
なんで死ぬ気で就活しなかったのか?
何度も何度も、過去の失敗を悔やみました。
だからこそ、不思議な気持ちになります。
10年後のボクが、
(就活に失敗して良かった)
そう振り返るようになることを。
勝ち組と負け組
友人の話
大学の友人、「仙堂くん(仮名)」
彼は仲良しグループの一人。
多くの同級生が開発職に方向転換していく中、
研究職を貫いた彼は、超大手内資企業の内定を勝ち取りました。
基本給だけを比べれば、他の同級生よりもちょっと高いくらいに見えましたが、
住宅手当のインパクトが絶大
実質的な手取り額が10万円以上加算されて、海外旅行やらダイビングやら、趣味に明け暮れました。
2年目に同期の女性と結婚。
派手な結婚式と優雅な新婚旅行を経て、アイドルのような奥さんと世田谷でのプチセレブ生活をスタートします。
ボクの話
一方その頃、
就活で失敗したボクは、ブラック企業に転落
基本給だけを比べれば他の同級生よりもちょっと低いくらいに見えましたが、
みなし残業のインパクトが絶大
この制度を悪用して、早朝から深夜までの奴隷労働を強いられました。
やっとの思いでブラック企業から脱獄したボクは、
ベンチャーへ転職するとともに同棲していた彼女(いや、居候していた彼女)と結婚
質素な結婚式と二泊三日の新婚旅行(日光)を経て、埼玉に一軒家を購入します。
これだけを比較すると、どちらが勝ち組でどちらが負け組かは、一目瞭然。
…それでは、時を進めて10年後の世界を見てみましょう。
10年後の二人
ボクの話(その後)
その後、
ボクは転職と昇給を繰り返して、着々と年収を引き上げていきました。
新卒の時と比べて約2倍
スタートラインの待遇が悪かったので、それほど難しくはありませんでした。
ただ残念なことに、、、
生活水準はたいして変わりません。
年収の上昇と並行して、子供達の養育費が重くのしかかっていったのです。
ボクらに染みついた貧乏性のおかげでどうにかこうにか、満足のいく生活を維持しています。
昇給とともに着々とスケールアップしていく仕事も、まあまあ満足。
いつの間にか、国際プロジェクトに参加させてもらえるほどになりました。
そして、
いざとなればいつでも転職に踏み切ることができる心理状況にも安心しています。
ボクの年収は一般的。
受け入れ先はいくらでもあるのです。
友人の話(その後)
その頃、仙堂くんは焦っていました。
頼みの住宅手当てが終了するとともに、目の飛び出るような養育費で夫婦喧嘩の絶えない日々。
昇給を狙おうにも、優秀な同期と競うことに疲弊していました。
頼みの綱は転職ですが、、、
どのように転職すればいいのかわからない。
居心地の良い職場、スケールの大きな仕事を手放すことにも躊躇
一度上げてしまった生活水準を下げることは難しく、ジリジリと追い詰められてしまうのです。
【まとめ】
就活に失敗してよかったと思う理由
● 人生上り坂
失敗した時は、同級生との比較でショックを受けるかもしれません。
その一方、スタートが低い分だけ昇給が簡単です。
自分の能力に見合った収入を得ることが結果的には心の安定となります。
● 幸福の感受性が高まる
20代のうちに貧乏生活を経験することは、幸福の感受性を高めることに等しい。
些細なことでも幸せを感じることができるようになります。
● 転職を重ねて人生経験が豊富に
ブラック企業でボロボロになったり、ベンチャーでめちゃくちゃな仕事をしたり、派遣先で冷遇されたり、貴重な経験を得ることができました。
後輩達を指導する立場になって、これらの経験が活きてきます。
人生楽あれば苦あり。
就活に失敗したからといっても不幸な人生が永遠に続くわけではありません。
単なる通過点の一つ。
自分に課された運命だと思って、ポジティブに乗り越えていきましょう!
就活で失敗してしまった人に読んで欲しい本
百田尚樹さんの小説『海賊とよばれた男』
就活に失敗してへこんでいたボクをポジティブな気持ちにしてくれた思い出の一冊(いや、二冊?)です。
この本は、出光興産創業者をモデルとした主人公が、ゼロから大企業を生み出す過程を描いたお話
印象的なシーンは、
学生時代の主人公が、石油の将来性に目をつけて、小〜さな個人商店を就職先に選ぶところ。
エリート校の学生だった彼は、優良企業の内定を蹴ってその商店を選ぶのです。
がしかし、
そこでの仕事は煌びやかなものではありませんでした。
本来であれば複数の専門家が分担で行う
- 営業
- 注文
- 配達
- 集金
- 帳簿付け
などなどを一人でこなさなければなりません。
彼は毎日毎日ボロボロになりながら働き続けました…
そんなある日、
エリート校時代の同級生とバッタリ遭遇します。
ヨレヨレエプロン姿で小銭の回収に走り回る主人公
それに対して、
ピカピカな背広を着込んだ同級生は、自分とは比べ物にならない規模の取引を任されていたのです!!!
主人公はこう思いました。
いずれ独立して大きな商売をしようと思ったら、大商店に入って、そうゆう取引を経験しておかないといけなかったのではないか?
もしかしたら、、、
自分はとんでもない間違いを犯したのではないだろうか…?
大成功を収めた人でも、そんな時期があるものですよね。
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