おはようございます。
先週に引き続き、「大学時代の思い出」についてお話します。
先週の記事では、大学の講義に興味を持てず目標を失っていたところ、国家資格の受験勉強に励む母親の姿を見て、「自分も資格に挑戦してみよう」と決断しました。
今回はその続きについてお話ししたいと思います。
大学図書館の仙人
大学進学の目的は「人との出会い」。
そう答える人もいるくらい、大学には様々な出会いがあると思います。
「一生を通じた趣味の友達」、「仕事の仲間やライバル」、そして「生涯のパートナー」
それらの多くは「同じクラスメート」だったり、「同じサークル」だったという話はよく聞きますよね?
筆者は、そのどちらにも当てはまらない出会いがターニングポイントになりました。
…
始まりは大学の図書館です。
「テスト期間中でもないのにすごい頑張ってるね。」
突然、見知らぬ大学生から声をかけられました。
彼の名前はSさん。2学年上の大学4年生。第一印象は、人当たりの良さそうな爽やか系の男性。取得可能な全ての単位を取得したガリ勉でした。上級生の間では「図書館の仙人」と呼ばれているほどです(笑)
取得可能な単位を全部取る大学生って、時折いますよね?
Sさんの不思議なところは、ガリ勉のイメージとかけ離れたアクティブな一面をもっている所です。例えば、当時流行していた秋葉のメイド喫茶でアルバイトをしていました。しかも受付とかではなく、「メイド役」として^^;
バイトの店長は、まさか男が応募してくるとは思わなかったから、面白くて雇ったとのこと(笑)
身長170cm後半でよく見ればなかなかのイケメンという見た目に反して、大学では図書館の仙人。大学の外ではメイド喫茶…
そうゆう趣味があるわけではなく、面白いと思ったことに躊躇なく挑戦してしまう体質なのです(._.)
類は友を呼ぶ
そんな人から気にいられてしまうなんて、筆者もかなりの変人かもしれませんね…
医学部棟の地下にあったもの
Sさんとすっかり仲良くなった筆者は、Sさんお気に入りの場所を教えてもらいました。
それは、医学部棟の地下にある「巨大な図書館」です。
こんな場所があったなんて(゚д゚)!医学部生しか使っていないのに、全学部共通の図書館より圧倒的に大きいのです。
大学の和気あいあいとした声が一切届かない、シーーーンと静まり返った空間。たくさんの自習スペースには、賢そ~うなオーラを纏った医学部の学生が静かにペンを走らせていました。
まるで、●ラゴンボールにでてくる「精神と時の部屋」
この場所を知ってからというもの、「勉強をするために一番大切なことは環境である」ということを実感させられました。ワイワイとした大学生たちを尻目に一人で勉強をしているのと、賢そ~うなオーラを纏った人たちの中で勉強をしているのとでは、学習効率が桁違いなのです。
そして、Sさんの話はめちゃくちゃに面白かった(゜o゜)
筆者は「理学部・生物科」ですが、Sさんは「理学部・物理科」です。物理学が一番面白いと思った話。ありとあらゆる講義を受けた話。その中でもAIの分野が一番面白いと思った話。そして、数々の研究室を訪問した末、翌年から他大学の大学院でAI研究に取り組むこととなった話。
生物科としての意見を求められても、薄っぺらな考えしか話せない自分が本当に恥ずかしかったです。クラスやサークルではそんな真面目な話しませんからね…
大学の講義にも身が入ります。
資格の勉強は?
あれ?資格の勉強をするんじゃなかったの?
そう思いましたよね?^^;
それでは少し時間を遡って、図書館に籠ることとなった経緯についてお話しします^^
…
大学二年の秋、超難関国家資格「社会保険労務士」の受験勉強に励む母の姿を見て、「士業=法律の勉強法が面白そうだな」と思いました。
ちなみに母は子育てに一息ついて、パートで働き始めたところ、めちゃくちゃな労働環境に怒りを覚えて、社会保険労務士に興味を持ったそうです^^;
今では社会保険労務士の資格を活かしてバリバリ働いています。
さて、士業といえば「司法書士」や「行政書士」など文系の資格として認識されているかもしれません。その一方、理系のバックグラウンドと組み合わせることで、より強力な武器になるものがあります。
その代表例が「弁理士」です。
弁理士とは、特許や著作権などの知的財産権に関する業務を行うための資格です。
法律を扱う仕事ですが、特に特許に関する業務には理系の知識を要するため、理系のバックグラウンドを持った人が重宝されています。
大学の授業に興味をもてず時間を持て余しているくらいなら、「大学在学中にこの弁理士の資格を取ってしまおう」と計画しました。
ですが、大学生にとっては切実な問題があります。それは、予備校に通う必要があることです。資格を取得するまでにおよそ…100万円!絶対に無理だ!(TT)
いや!ここで諦めなるわけにはいきません!大学で知的財産の講義を教えてくれていた外部の先生(H先生)に頼み込み、格安で教わることになりました。
H先生のアドバイス
そのH先生は弁理士です。個人で特許事務所を経営していて、小さな弁理士予備校も運営していました。
H先生は、なかなか興味深いキャリアの持ち主です。
もともとは化学系の研究に従事していたようですが、ある日、業務中の事故で化学薬品を被って死にそうになりました。幸い大事には至らなかったものの、トラウマで現場復帰出来ず退職することになります。新しいキャリアとして、弁理士の道を選んだとのことでした。
その先生のアドバイスとして「大学生の段階で弁理士に目をつけた点は素晴らしい」とのこと。
知的財産権の重要性は年々高まっているにもかかわらず、法律の勉強をしようとする理系大学生はとても珍しいようです。
ただし、「学部卒で弁理士になったらもったいない!」といわれました。
弁理士として求められる知識はかなり専門的であるため、理系大学出身でも学部卒では理系として認められないとのことだそうです。
テキトウに修士だけ終了して弁理士試験に集中することも考えたのですが、能力の伴わない修士というのが嫌だったので、一先ず弁理士試験の勉強を抑えて、大学の勉強に没頭することとしました。
あんなに興味がなかった大学の勉強も目標が決まれば案外頑張れるものです。
そういった経緯で、図書館に籠っていたところ、図書館の仙人から声をかけられました。
大学三年で母校と別れ
Sさんの卒業を見送ってから一年間後、筆者は卒業研究として他大学の研究室に入り込み、そのまま大学院に進学しました。
大学4年から他大学に行くことはSさんのアドバイスです。
大学院修士課程は2年間。とはいっても、修士1年生は大学院の講義、2年は就活に追われてしまうため、大学4年生が一番研究に集中できるとのこと。
研究テーマは脳、特に知的活動に関与していると考えられている「大脳新皮質」の基礎研究です。これもSさんの話に影響されてしまいましたね。
Sさんの影響を受けたといっても、メイド喫茶のアルバイトは挑戦していません。恥ずかしすぎるので(^^;
大学院時代には、Sさんに負けないくらい変人…いや、魅力的な方々にたくさんお会いしました。数学の博士、物理の博士を取得して、さらに筆者と同じ研究室にやってきた方々。医者として働きながら、趣味で研究に打ち込んでいる方。博士課程在学中に一流ジャーナルに論文を投稿した方。
またどこかの機会でお話ししたいと思います^^
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