「会社との良好な関係を保ちつつ転職活動」
ブラック企業から転職するポイントとして、そう何度も強調してきました。
というのも、、、
ボク自身、最初に入社したブラック企業とケンカ別れをしてしまった大失敗があるのです( ;∀;)
今回のお話はそんな失敗談。
感情的になってしまうことがいかに愚かで危険な行為か、ボクの体験談を反面教師にしていただければと思います。
トラブルの発端
それはブラック企業入社から8ヶ月後
クリスマスのウキウキムードが漂いだした12月上旬のことでした。
事件のきっかけは、
土曜日の出社命令をすっぽかすところから始まります。
「出社命令」といったって、給料が出るわけでもなければ、振替休日が発生するわけでもありません。
そう。ただのボランティア。
土曜日のボランティアなんて、何度も経験してきました。
何の抵抗もありません。
ですが、、、
この日は転職面接が予定されていました。
転職活動を始めたのは4ヶ月前の8月。
少なくとも1年間は今の会社で頑張ろうと思っていたので、無理に面接を入れるつもりありませんでした。
…ただ、「土曜日はどうですか?」と気を遣ってくれたので、お願いしてみることに。
まさに、「その日」と出社命令が重なりました。
命令を受けたのは、その前夜。
ボクの頭の中に、二つの選択肢が浮かびます。
- 大事な予定があって行けないことを伝える
- 翌朝、体調不良を言い訳に休む
ボクの選択は「2」
「1」を選んでも、本当のことは言えません。
上司の理解を得られないと「2」に切り替えることができなくなってしまうので、大きなウソをつく必要があります。
どうせウソをつくなら(課長には悪いけど)「2」の方がトラブルに発展する可能性が低いかな…
そう考えました。
今になって振り返れば、無理に会社を休むような面接でもありませんでした。
従業員を奴隷のように扱う会社に対する怒りの感情があったのかもしれません。
翌日の土曜日
翌朝。
「体調不良で会社に行けません」
…と、上司にメール連絡。
送信ボタンを押す指がプルプル震えます。
本当は電話で連絡すべきなんでしょうが、
ウソを貫け通せる自信がなくて…メールで連絡をすること。
「いいから出社しろ‼」
なんて言われてしまったら、面接に行けなくなってしまいます(°_°)
※ブラック企業の経験がないとイマイチ理解できないかもしれませんが、「ゲロを吐いても出社命令しろ」と教わります。病気だから休みますは通用しないのです。
(電話できないくらい体調が悪かったって言い訳しよう)
そんな根端です。
約10分後、会社のスマホが鳴りました。
上司から着信です。
(やっぱり来たか…)
想定の範囲内。
一呼吸おいて、昨夜イメージした体調不良の演技に意識を集中します。
…しかし、
スマホの画面を見たボクは、ギョッとしました。
電話じゃない
テレビ電話だ‼
ボクの顔が映った着信画面。
スマホを布団の中に投げ込み、慌てて家を飛び出しました‼︎
普通に考えれば、
「応答ボタン」を押さない限りこちらの映像は見えません。
それでもボクは
どこかで上司に見られている
そんな錯覚に陥りました
翌々日の月曜日
あっという間に日曜日が過ぎ去り、
辛い朝がやってきました。
どんな夢を見たか全く覚えていませんが、起きた瞬間からどよ~ん
憂鬱を通り越してもうゲロ吐きそう。
深く息を吸って電車に乗り込みます。
(体調不良で電話ができず、そのまま寝込んで着信に気が付かなかったことにしよう)
そんな根端です。
でも…その日中に折り返しておけばよかったな…
会社に到着。
とりあえず荷物を置きに自分の席までくると、周囲からの目線をチラチラ感じます。
(コイツ…よく会社にこれたな….)
そんな表情に見えました。
スッと…血の気が引いて、全身がガタガタ
早く辞めたい
「お前は社会人失格だ!!!」
上司の第一声。
怒鳴り声が響き渡り、オフィス全体が静まりました。
今度は全員の目線がボクに突き刺さります
作戦もクソもありゃしない。
でも、ここで予想外なことが
いつもなら真っ白になってしまうボクの頭。
この日は何故か冷静でした。
(事前に言えば休ませてくれるのか?)
(いや、、、そもそも休日だし)
(しかも前日に明日来いって…)
社会人の常識???
「うるせーー-!!!(# ゚Д゚)」
ブチ切れてしまいました。
退職願
この事件をきっかけに、ボクを取り巻く人間関係が一変
嫌われ者になりました。
本当に嫌われたのか、
上司が見せしめのために操作していたのか、
ボクにはわかりません。
言い方が悪いかもしれませんが、
ブラック企業の空気感は、頭の悪い学校によく似ています。
ボス猿の主張が絶対的。
どんなにおかしな主張でも、それに抗おうとするものはいません。
ただ、立場の悪くなった者から一斉に人が離れていきます。
”友人関係は単なるアクセサリー”
仲よくしていた同期も、ボクから離れていきました。
とても仕事を続けられる状況じゃない…
上司と面談
ほどなくして、上司との面談が行われました。
開口一番、ボクは退職の意向を伝えます。
本当は次の会社が見つかるまで会社にしがみつくべきなんでしょうが、、、このままだと体調を崩してしまう。
そして、今でもはっきり覚えています。
上司は、ホッとした顔をしました。
(どうすれば自己都合で辞めてくれるかアレコレ考えてたけど、手間が省けてよかった~)
まるで、そんな顔。
ブラック企業はあの手この手で、従業員を繋ぎ止めます。
しかし、上司に歯向かう反乱分子はサッサっと追い出す必要があるようです。
こうして、一月末で会社を去ることが決まりました。
タイムリミット
会社を追い出される日が確定し、転職活動に本腰を入れます。
(やっと会社を辞められる!)
(しかも、堂々と転職活動ができる!)
出だしは好調でした。
しかし、それは最初の2、3日
先行き不透明なまま退職が決まったためか…
オフィスで感情を爆発させてしまったためか…
体調の変化が起こり始めます。
絶えず不安な気持ちがつきまとい、集中が続きません。
それは朝起きた瞬間から始まり、途切れることがありませんでした。
スマホを持つと小刻みに震えています。
(大丈夫。落ち着け~)
何度も何度も自分に言い聞かせました。
上司に啖呵を切ってやめるなんてよくある話だと思ってました。
…でも、自分事になって初めて思い知ります。
(こんな状況で転職活動することになるなんて…)
タイムリミットは刻一刻と迫っています。
焦れば焦るほど、体調が悪化していきました。
昔の記憶
(何でこんなことになったんだろう…)
ボクが担当していた営業先は、オフィスから車で1時間ほど離れたところにあります。
入社したばかりの頃は、上司と二人で営業先に通っていました。
上司が運転する車の助手席で聞いた他愛無い話。
なぜかこのタイミングで蘇ります。
上司の前職
彼が昔務めていた会社はワインの卸会社。
実績で給与の決まる厳しい環境の中で、必死に働いたそう。
…それが、上司に売り上げを横取りされて大喧嘩。
啖呵を切って会社を飛び出した。
あの上司もボクと同じような境遇があったってことかな…
とても信じられない。
体育会系の理由
彼自身、職場環境によく不満を漏らしていました。
従業員のことを信じてのびのびとした職場環境にしたい。
でも、ウチの会社は体育会系の雰囲気じゃなきゃまとまらない。
いくら言ってもわかってくれない子供と同じ。
話の通じない相手をまとめるには無理やり従わせるしかない。
自分もあの上司みたいになる日が来るのかな…
そうなりたくないな。
・・・
そんな昔の話が頭の中にグルグル
一人部屋に閉じこもったまま、新年を迎えました。
つづく
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