新卒で入社した会社をたった10ヶ月で退職
そんなボクを拾ってくれたのは、創業わずか2年のベンチャー企業でした。
結局は、その3年後、
同じ業界の大手企業へ転職することとなるボクですが…
今から振り返ると、ベンチャー企業ならではの不思議な現象がたくさんあったように思えてきます。
従業員「数十人」のベンチャー企業と、
従業員「数千人」の大企業
この二つの体験談を振り返り、
大企業だとなかなか経験することのできないベンチャー企業のあるある話をお話しします!
ポジティブな話
1. 夢追い人に会える
ベンチャー企業は入社しやすい。
もちろん低賃金&不安定だから入社しやすい訳でもあるんですけど、普通の会社なら機械的にはじかれてしまうような ”一風変わった経歴の持ち主” でも、社長の一存で入社が認められることがあります。
例えば…
社会人経験のない30代ジャズベーシスト
有名大学で獣医師の資格を取った彼は、獣医ではなく、趣味だったジャズの道へ。
しかし残念ながら、、、
30歳を過ぎてもその道で花開くことはなく、ボクのいた会社にやってきました。
他にも、大学を出てからずっ〜と飲食店のフリーターだった人や、ボクと同じようにブラック企業でボロボロにされた人などなど。
ベンチャー企業の存在は、普通の会社では中々拾ってもらえない若者達の受け皿として、重要な役割を担っているなかも知れません。
2. どんどん出世できる
管理職になりたくても中々なれない大企業
これと対照的に、ベンチャー企業のポストはスッカスカ
普通に電話応対ができるだけで尊敬されてしまうくらいだったりして、大企業のような熾烈な出世競争は存在しません。
まさにブルーオーシャン
そして、優秀な社員が育ってきても大きな会社へ転職してしまうので、いつまで経っても埋まりません。
ただし、
管理職になっても待遇は……
3. 社長と仲良くなれる
大企業は社長と話せる機会が滅多にありません
一度だけ社内ですれ違ったことがあるのですが、上司から指摘されるまで、社長であることに気が付かなかったほど
それに対して、
ベンチャー企業は、社長との距離が近い!
同じ部屋で働いていて毎日顔を合わせましたし、頻繁にメールのやり取りもしました。
おまけに、
二人っきりで飲みに行ったこともあります。
- 社長になったきっかけは、社長募集の広告に応募してみたこと
- 500人規模の会社でなぜ失敗したのか
- それでも、株を高く買ってもらえてベンチャーを立ち上げることができたこと
- 会社の給与はほぼゼロであること
などなど。
今思えば、超レアな話をたくさん聞かせてもらいました。
今でも、年賀状のやり取りを続けています。
ネガティブな話
1. 手取り額に要注意
言わずもがな、ベンチャーは待遇がイマイチ。
面接で聞いていた毎月の手取り額は大企業と変わらないように感じていましたが、、、
「豊富な手当+低めの基本給」
で残業代やボーナスが抑えていたり、
「確定拠出年金制度」による退職金の前払いが手取り額に含まれていたり、
ありとあらゆる工夫が凝らされていました。
そして、大企業との違いは福利厚生にあります。
「家賃補助・住宅手当」が支給される会社だと、毎月の固定費を5〜10万円近く抑えられる増えるわけですし、
そこまで手厚いものがなくても、「資格試験の支援金」、「飲み会の補助」、映画館や遊園地の割安チケットが入手できる「福利厚生サービス」などなど。
大企業に入社してから、福利厚生のインパクトに驚かされました。
ベンチャー企業だと、
「交通費」が支給されない場合や、「慶弔金」がない場合もあります。
さらには、、、
「社会保険の加入がない!」
なんて特殊なケースも聞いたことがあるので、福利厚生は念入りに調べておく必要があります。
2. 仕事が大変!!!
これもイメージ通りと思いますが、ベンチャー企業は仕事が大変
何故大変なのか、、、ボクが思う理由は以下の通り。
● 会社の信用がない
ベンチャー企業ということは会社の名前がほとんど知られていません。
一見どうでもいいように思えるかも知れませんが、
不審者扱いされてなかなか電話を取り次いでもらえなかったり、
人と会う度に、何をしている会社なのか一から説明する必要があったり、
無駄に時間とエネルギーを浪費していました。
● 管理職が管理できていない
本来であれば、管理職が部下一人一人の能力を把握したうえで、適切な業務量を分配したり、増員したりするわけですが、
ここが上手く機能していないことに大きな問題があります。
管理したところで補充できる人がいないので意味がないかもしれませんが。
やってもやっても仕事の山にまみれて、長時間労働をするハメに…
● フォローしてくれる人がいない
ベンチャー企業は社会人経験の乏しい20代ばかり。
先輩社員がOJTしてくれる事もなく、現場に放り込まれて、全てを任されます。
…え???
何をどうすればいいの?
もちろんトラブルが発生するわけですが、それでも助け船が来ることはなく、相手の会社から毎日のように怒られます。
上司が穏やかである点はブラック企業と異なります。
● 曰く付きの人が多い
というわけで、会社は30代~40代のベテランを積極的に採用しようとするわけですが、、、
パワハラでクビになった人だったり、
女癖の悪い人だったり、
超絶仕事のできない人だったり、
大企業には居場所のなくなった、問題児ばかりがやって来ます。
このヘンテコな人間関係の中で仕事をせざるを得ない状況が、一番辛いかも知れません。
そして、、、
彼らの多くは再び問題を引き起こして、突然いなくなります。
3. 成長が遅れる
これはちょっと意外かもしれません。
ショボい待遇で激務を乗り越えても、残念ながら、優秀なプレイヤーになれるわけではありません。
忍耐力は身に付くかもしれませんが、仕事を教えてくれる人がいないので、なかなか成長できず、自信を持つこともできません。
それに、
(悪い言い方をすれば)ベンチャー企業がありつける仕事なんて、大手の食べ残し。
- 規模の小さい仕事
- 古臭い仕事
- 単純作業で成長の見込めない仕事
ばかりやらされていました。
早く優秀なプレイヤーになりたかったら、
- 優秀な先輩達のもとで、
- 遣り甲斐のあって、
- 最先端かつグローバルな仕事
をやらせてもらえる大企業へ転職すること。
これが一番の近道です。
ベンチャーってどう?
まとめますと、
ベンチャー企業での働き方も、ブラック企業と負けず劣らず激務!
それであって、低賃金かつ成長も遅れてしまう環境…
ベンチャー企業というカッコいい響きだけで飛び込んでしまうと、痛い目をみることになるかも知れません。
その一方で、
「どんな人ならベンチャー企業への転職を満足できるのか」
についても考えてみました。
レールから外れた人
まず挙げるとすると、
「レールから外れてしまった人」
ブラック企業に入社してしまった人や、
正社員になれずフリータとして働いている人
であれば、ベンチャー企業の方が賢い選択かも知れません。
給与や仕事の忙しさを比べたら、ブラック企業もフリーターもベンチャーも大して変わりません。
それでも、ホワイト業界に属するベンチャー企業なら、さらにその次の転職でホワイト企業に入り込める可能性があります。
ブラック企業やフリーターとして働いていても、明るい未来は見えてきませんが、
ベンチャー企業の経験を活かして、元のレールに戻っていきましょう!
やりたい仕事がある人
2つ目は、やりたい仕事がある人
たとえお金を稼げなくても、
たとえどんなに仕事が辛くても、
どうしてもやりたい仕事があるんだ!!!
そんな方であればベンチャー企業への転職で満足できるかもしれません。
遣り甲斐のある仕事というものは、
往々にして、狭き門をくぐることが求められます。
その門をくぐれなかった人でも、ベンチャー企業なら雇ってもらえる可能性があります。
ベンチャー企業での生活は大変なものとなりますが、そこで経験を積んでいけば、自分のやりたい仕事で大きな会社へステップアップしていくことができるかもしれません。
管理職になりたい人
3つ目は、管理職になりたい人
大企業にはたくさんのライバルがいますので、いつまで経っても管理職になれずにいる人も多いと思います。。。
大企業の経歴があれば、管理職としてベンチャー企業に受け入れてもらえる可能性も高いのでは?
と思います。
もちろん、給与Upは期待できませんし、激務となることが予想されます。
それであって、遣り甲斐のある仕事も期待できず、大企業で管理職になる場合と比べてスキルUpも遅れてしまうかも知れません。
その一方で、
管理職の経験値が溜まっていくので、その経歴を活かして管理職として別の会社へ転職することも期待できますし、
そのまま留まってどんどん出世していくパターンもあると思います。
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