本日のお話は「早期退職」
新卒で入社したブラック会社をわずか10ヶ月で退職することになった経緯と、転職先をみつけるまでの壮絶な闘いについて振り返ります。
新卒の早期退職なんてよくある話かもしれませんが、自分ごとになると大事件
ブラック企業からキレイに脱獄することがいかに難しいか、ご参考になれば幸いです(..)
早期退職の発端
それはブラック企業入社から8ヶ月後
クリスマスのウキウキムードが漂いだした12月上旬のことでした。
早期退職の発端は、
土曜日の出社命令に抗うところから始まります。
「出社命令」といったって、給料が出るわけでもなければ、振替休日が発生するわけでもありません。
ただただ、強制的なボランティア
(これは不法に働かされているのだろう)
多くの従業員が心の中で察していましたが、鬼のような上司に意見しようだなんて強者は誰一人いませんでした。
もちろんボクもその中の一人。
モヤモヤしながらも欠かすことなくこの強制労働に参加してきたわけです。
この日までは。
理由
休日の出社命令に抗おうと決めた理由は、転職面接とのダブルブッキングでした。
転職活動を始めたのは4ヶ月前の8月。
一般的な慣習に習い、できれば3年は今の会社で頑張るつもりでしたが、
大学での失敗を振り返り、早めに転職の準備をスタートすることに。
3年ピッタリで辞めたいから少しずつ進めておこう
なので、休日の出社と被ってしまった面接についても、無理に会社の命令をすっぽかしてまで参加したかったかというと、
それほど重要なものではありません。
いずれ訪れる本格的な転職活動に向けて、怖い上司を出し抜くための練習として、逃げてはいけないと考えたわけです。
今になって振り返ると、
ブラック企業で働かざるを得ないという弱みに漬け込んで、人の予定を蔑ろにする会社への怒りの感情もあったのかもしれませんが。
計画
出社命令に抗おうと決めたボクの頭に、二つの選択肢が浮かびます。
- 大事な予定があって行けないことを伝える
- 体調不良を言い訳に休む
ブラック企業では、会社への絶対的な忠誠心が植え付けられているため、他社の面接にいこうだなんて究極の裏切り行為として断罪されます。
なので、「1」を選択する場合には、上司が納得するだけの十分なウソをつく必要があるわけです。
ウソを突き通す難易度や、バレやすさを考えを考えた結果
(「2」の体調不良でいこう)
と、そう考えました。
運命の土曜日
いよいよ運命の土曜日
朝がやってきました。
「体調不良で会社に行けません」
と、上司にメール
この時の心境は今でもハッキリ覚えています。
まるで気になる女の子に初めてメールを送るときのように、スマホをもつ手がブルブル震えました。
(不法な命令なんだから行く必要なんてない)
強気になっていた計画段階は遠い昔のよう
深く植え付けられた社畜の教えが頭の中で警報を鳴らし、送信ボタンをなかなか押させてくれません。
どのくらいの時間が経過したでしょうか…?
体感1、2時間(実際のところは15〜20分)
両手の親指で送信ボタンを押し込んでそっと床においたスマートホンから、すぐに着信音が鳴り始めました。
(やっぱり来たか…)
上司から電話がかかってくることは、想定の範囲内。
一呼吸おいて、昨夜イメージした体調不良の演技に意識を集中します。
が…しかし、
スマホの画面を見たボクは、ギョッとしました
な、なんで自分の顔?!
当時スマホを使い始めたばかりのボクには全く馴染みのない「テレビ電話」
この機能を使って電話がかかってきたのです‼︎
落ち着いて考えれば、体調が悪そうな顔で応対すればよかっただけのこと。
しかし、早くも予想外の出来事でパニックになったボクは、スマホを布団の中に投げ込み、慌てて家を飛び出してしまうのでした。
テレビ電話といったって「応答ボタン」を押さない限りこちらの映像は見えません。
それでもボクは、上司に見透かされている
そんな錯覚に陥っていました。
翌々日の月曜日
憂鬱な朝
あっという間に日曜日が過ぎ去り、
辛〜い朝がやってきました。
起き上がった瞬間から頭の中に暗雲が立ち込め、ぐるぐると目眩
憂鬱を通り越して気持ち悪い
…それでも、ブラック企業から脱獄するには、ここをなんとか切り抜けなければなりません。
深く息を吸って電車に乗り込みます。
(体調不良で電話ができず、そのまま寝込んで着信に気が付かなかったことにしよう)
それにしても、、、
何でその日のうちに折り返しの電話をしなかったんだろう。
今更になって後悔しました。
会社へ出社
会社に到着。
とりあえず荷物を置きに自分の席までくると、周囲からの目線をチラチラ感じます。
(コイツ…よく会社にこれたな….)
そんな表情に見えました。
スッと…血の気が引いて、全身がガタガタ
もう辞めたい
早速、上司に呼び出されたボクは会議室で二者面談。
丸一日かけてストックした言い訳の出番はなく、上司はボクが故意にサボったことを確信していました。
なぜこんなにも早く見抜かれたのか、理由は見当もつきません。
ブラック企業の上司がもつスーパー特殊能力?
何の言い訳もできないままボクは退職の意向を伝えました。
本当は次の会社が見つかるまで会社にしがみつくべきなんでしょうが、どんな嫌がられをされるのかと思うととても耐えられる気がしません…
そして、今でもはっきり覚えています。
上司は、、、ほっとした顔をしました。
(反乱分子を追い出す手間が省けてよかった)
まるで、そんな顔。
こうして、一月末で会社を去ることが決まりました。
タイムリミット
退職までのタイムリミットは1ヶ月半。
のんびりと転職活動をしていたボクですが、会社を追い出される日が決まり一気にギアを入れ替えます。
(やっと会社を辞められる!)
(しかも、堂々と転職活動ができる!)
予期せぬ早期退職の決定とは裏腹に、開放的な気持ち
出だしは好調でした。
ですが、それは最初の2、3日
先行き不透明なまま退職が決まったためか、体調の変化が起こり始めます。
ざわざわと不安な気持ちがつきまとい、集中力が長続き続きません。
そして、その現象は朝起きた瞬間から始まり、就寝時間まで途切れることがありませんでした。
スマホを手に持つと、小刻みに震えていること気がつきます。
(大丈夫。落ち着け…)
何度も何度も自分に言い聞かせました。
新卒の早期退職なんてよくある話
でも、自分事になっていかに大きな出来事であったのかを思い知ります。
タイムリミットまでわずか1ヶ月
焦れば焦るほどジワジワと体調の変化が大きくなっていくのでした。
昔の記憶
ボクが担当していた営業先は、オフィスから車で約1時間
入社したばかりの頃は、上司と二人で営業先に通っていました。
上司が運転する車の助手席で聞いた他愛無い話
なぜかこのタイミングで蘇ります。
上司の前職
彼が昔務めていた会社はワインの卸会社。
実績で給与の決まる厳しい環境の中で、必死に働いたそう。
…しかし、
彼の上司に売り上げを横取りされて大喧嘩‼︎
啖呵を切って会社を飛び出したそうです。
まるで武勇伝のように、そんな自慢話をしていました。
もしそれが本当なら、あの上司にもボクと同じような状況で転職活動をしていた時期があるのか?
そう考えると、とても信じられません。
体育会系の理由
彼自身、ブラック企業の職場環境によく不満を漏らしていました。
従業員のことを信じてのびのびとした職場環境にしたい。
でも、ウチの会社は体育会系の雰囲気じゃなきゃまとまらない。
いくら言ってもわかってくれない子供と同じ。
話の通じない相手をまとめるには無理やり従わせるしかない。
そんな経緯で今のやり方に辿り着いたそう。
もしボクの転職先が見つかって会社員を続けることができたとしても、いずれあの上司みたいになるのかな?
嫌だな。。。
そんな昔の話が頭の中にグルグル
一人部屋に閉じこもったまま、新年を迎えました。
つづく
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